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チャンス量産、21本のシュートを浴びせるグローリー。勝敗の行方は?!


 
両チームにとって勝利が遠い試合だった。今シーズン、4勝目を目指したグローリーに対して、Central Coast Marinersにとっては引き分けでも十分勝ちに等しい試合だった。
 

<Aリーグを知る記者の視点 A League Football Journalist’s Point Of View>
Aリーグを知る記者の視点から更に詳しくパースグローリーの選手紹介や試合結果についてお届けする。

 

2021 – 22シーズンAリーグ パースグローリー試合結果
Round 18(2022年3月15日)
Perth Glory 0 – 0  Central Coast Mariners 会場:HBF Park

 
前半4分、アウェイチームのMarinersがチャンスをつかむ。右サイドからの攻撃でグローリーのGK、背番号1番のBrad JONESがはじいたシュートをMarinersの背番号5番、Noah SMITHが足に当てて押し込もうとするもボールはJONESの元に。この決定機がMarinersにとってこの日の90分で唯一のチャンスだった。

一方、グローリーは前半14分の背番号26番、Giordano COLLIのFKがクロスバーに直撃、後半の17分の背番号18番、Daniel STYNESの左足のシュートはゴール右へ、そして後半26分の背番号22番、Josh RAWLINSのヘディングシュートは僅かに外れ、後半31分の背番号9番、Bruno FORNAROLIのFKや、後半44分の背番号21番、Antonee BURKE-GILROYのスコーピオン・シュートなどチャンスは量産していた。

ただ、この試合のハイライトは、前半16分のFORNAROLIのPKだった。背番号13番のBrandon O’NEILLが前節でけがを負い、この日はO’NEILLの代わりにキャプテンマークを左腕に巻いたFORNAROLI。

前半15分にグローリーのCKの際、Marinersの背番号9番、Jason CUMMINGSがPA内でハンドを犯したのではとグローリーイレブンが主審に抗議するも通らず。しかし、その直後のプレーでは、グローリーの背番号14番、Jack CLISBYがPA内にドリブルで突破。そして、ハンド疑惑で命拾いしたCUMMINGSが、CLISBYの足をかけてしまった。

主審は迷うことなくPKの判定。キッカーは、グローリーのストライカー、FORNAROLI。今シーズンはチームで最多7得点、リーグでもトップスコアラーで3位につけているFORNAROLIだが、左サイドにけったボールは相手GKに阻まれ、得点とはならなかった。

「入っていたら」はスポーツの世界では意味のなさない言葉だが、この数日後にFORNAROLIは3月24日の2022年W杯のアジア最終予選、対日本代表戦のためのオーストラリア代表として初招集されることになる。日本戦に弾みを付けたかったところだが…。

背番号8番でグローリー不動の左SB、太田宏介はこの日、試合前にスポンサーが集まる食事会にて壇上に立ちインタビューに応じていた。インタビューアーの質問に「パースでの生活に満足してます。パースは本当に良いところですね」と笑顔で答えたが、予定されていた日豪戦に関する質問は、インタビューアーの失念でされなかった。

ちなみに、質問は「日本代表の選手で誰に注目すればいいのですか?」だったが、用意していた答えは「おそらく、僕が招集されるので、オーストラリアは太田宏介に注意が必要になるでしょう」だった。インタビューには百戦錬磨の太田らしい答えだったが、披露できなかったのは悔やまれる。

 
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【試合結果】
Perth Glory 0 – 0 Central Coast Mariners
(ハーフタイム: 0 – 0)
会場:HBF Park

<パースグローリーのスターティング・ラインナップ>
背番号1. Brad JONES(GK)、背番号5. Jonathan ASPROPOTAMITIS、背番号7. Adrian SARDINERO(背番号18. Daniel STYNESに55分に交代)、背番号9. Bruno FORNAROLI(キャプテン)、背番号11. Nick FITZGERALD(21. Antonee BURKE-GILROYに68分に交代)、背番号14. Jack CLISBY、、背番号19. Callum TIMMINS(背番号6. Osama MALIKに74分に交代)、背番号22. Josh RAWLINS、背番号24. Pacifique NIYONGABIRE(背番号38. Ciaran BRAMWELLに74分に交代)、背番号26. Giordano COLLI、背番号29. Darryl LACHMAN
 

文:今城康雄(いまなりやすお)。パースの日本語メディア「The Perth Express」の代表兼、編集長。2005年のAリーグの開幕以来、リーグ公認のメディアとなっている「The Perth Express」のジャーナリストとしても、パースグローリーのホームゲームはほぼ全試合、記者席より取材を重ねてきた。2020年よりパースグローリー日本地区担当マネージャー兼通訳を兼務。

 
 
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