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コロナウイルス陽性者続出!苦境の中でのアウェイ戦で太田にアクシデントか?!



 
1月25日、グローリーの選手たちの中からコロナウイルス陽性者が確認された。毎朝行われている抗原検査での陽性者は5選手に上った。そのうちの3選手がGKだったため、1月26日に予定していたMacarthur FC(Round 8)との試合が延期となった。しかし、グローリーに襲い掛かった試練はそれだけではなかった。同25日は背番号15番のDaniel STURRIDGE、26日以降はキャプテンで背番号13番のBrandon O’NEILL、背番号14番のJack CLISBY、背番号23番のMitch OXBORROW、そして背番号9番のストライカー、Bruno FORNAROLIも検査の結果、陽性反応が出た。

この状況を受け、2月2日のWestern Sydney Wanderers戦も延期の可能性が十分考えられたが、滞在先ホテルでそのまま1週間隔離していたグローリーの正GK、背番号12番のCameron COOKの隔離が2月1日に明け、翌日の試合出場へのゴーサインが出たため、ぶっつけ本番ではあるが試合が決行となった。それにしても、2日の試合は大幅な選手入れ替えが強いられたグローリーであった。
 

<Aリーグを知る記者の視点 A League Football Journalist’s Point Of View>
Aリーグを知る記者の視点から更に詳しくパースグローリーの選手紹介や試合結果についてお届けする。

 

2021 – 22シーズンAリーグ パースグローリー試合結果
Round 9(2022年2月2日)
Western Sydney Wanderers 1 – 0 Perth Glory 会場:Commbank Stadium

 
グローリーにとって今回で2度目のアウェイロードだが、昨年の1回目は5試合中3試合しか行われず、そして今回も5試合が予定されているが既に1試合が延期となっている。ただ、これ以上の延期はシーズン後半の試合スケジュールを更に過密にさせることになることも恐れ、選手層の懸念よりも、試合の実行を決断したと思われる。

スターティングメンバ―は前節から5選手入れ替わった。背番号8番の太田宏介はこの日、主戦場の左SBで、また1回目のアウェイロードでウイルス感染してしまった背番号26番のGiordano COLLIがスターティングメンバ―に名を連ねた。また、同じく昨年の遠征で陽性者だった背番号24番のPacifique NIYONGABIREと、背番号25番のJacob YOUNGがベンチに入った。

対戦相手のWanderersは新監督、Mark RUDANを迎え入れての一戦目。そして、開幕3試合目からスターティングメンバ―で出場し、前節はベンチスタートだったがこの試合ではスターティングメンバ―に復帰、Jリーグの横浜FCに所属していた日本人選手、背番号11番の小川慶治朗もピッチに立った。この試合はグローリーの太田とWanderersの小川といった日本人対決ともなった。

開始早々前半10分、グローリーは決定的なチャンスを得る。背番号21番のAntonee BURKE-GILROYが右サイドで抜け出し、グランダーのクロスを上げる。そのボールに背番号7番のAdrian SARDINEROがゴール前で合わせるも、ボールの勢いは弱く、相手GKは正面でキャッチした。

Wanderersは前半15分に左サイドからの小川のシュートを皮切りに優位に試合を展開し、そして26分に右からの攻撃で背番号5番のキャプテン、元イングランド代表のJack RODWELLが先制点を挙げる。

その後も攻めるWanderersと守るグローリーの展開は変わらない。ただ前後半通して、太田の攻撃参加からのクロスや精度の高いCKでグローリーも応戦。しかし、背番号14番のJames TROISIからのパスを小川がフィニッシュするといったリズムでWanderersの優勢は変わらない。そんな中でも一矢を報いたいグローリーにアクシデントが。

後半35分、小川の選手交代の際にドクターの診断を受ける太田。直前のプレーでボールが顔面を直撃していた。「クリアしたボールが相手の足に当たって、跳ね返ってきたボールが自分の目に当たってしまいました。いつもならすぐに直るのに数分経っても右目が見えないままだったので…。交代枠が一つだったので、どうかなと思いましたが、大事を取ってベンチに下がりました」と後日、その時のことを話してくれた。

さて、試合はそのままグローリーの見せ場なく、終了。前節の勝利の勢いを活かすことなくキックオフの笛を聞くことになった。試合後、太田は病院に向かい、翌日も検査を受けた。試合数日後の電話インタビューでは「目の方は大丈夫です」と応えてくれた後、「どこのチームもこのコロナ禍なのでベストな状態で試合には臨めず、現状でできるパフォーマンスを見せるしかないのですが、なかなか厳しいですね。ホテルでの生活が2週間ともなればいろいろと出てきますし」と言いつつも、ポジティブな姿勢は崩さずに「ストレスをためずに一戦一戦頑張ります」と抱負も語ってくれた。

Wanderers戦については「両サイドバックが引いてパスをもらえといったベンチからの指示なので、どうしてもディフェンス・ラインが下がってしまいます。また、前線でのためが少ないので、カウンターを喰らった時はディフェンスが戻らなければならない。なので、高い位置が取れませんでした。いつもディフェンスが重い感じになってしまいますね。コロナで外れた選手がいる中、いる選手で戦わなければならないのは分かっていますが、あの試合は得点が取れるといった感じはしなかったですね」と振り返ってくれた。

 
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【試合結果】
Western Sydney Wanderers 1 – 0 Perth Glory
(ハーフタイム: 1 – 0)
会場:Commbank Stadium
得点:<Western Sydney Wanderers> Jack RODWELL(26分)

<パースグローリーのスターティング・ラインナップ>
背番号12. Cameron COOK(GK)、背番号5. Jonathan ASPROPOTAMITIS(背番号2. Aaron CALVERに58分に交代)、背番号6. Osama MALIK、背番号7. Adrian SARDINERO、背番号8. 太田宏介(背番号25. Jacob YOUNGに82分に交代)、背番号10. Andy KEOGH(キャプテン、背番号24. Pacifique NIYONGABIREに67分に交代)、背番号19. Callum TIMMINS、背番号21番. Antonee BURKE-GILROY、背番号22. Josh RAWLINS、背番号26. Giordano COLLI(背番号18. Daniel STYNESに58分に交代)、背番号29. Darryl LACHMAN
 

文:今城康雄(いまなりやすお)。パースの日本語メディア「The Perth Express」の代表兼、編集長。2005年のAリーグの開幕以来、リーグ公認のメディアとなっている「The Perth Express」のジャーナリストとしても、パースグローリーのホームゲームはほぼ全試合、記者席より取材を重ねてきた。2020年よりパースグローリー日本地区担当マネージャー兼通訳を兼務。

 
 
【参考】
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