グローリーの背番号8番、不動の左SBの太田宏介の姿は、ピッチにはなかった。オーストラリアに入国しホテル検疫後、実践からも長いブランクを経てからの14試合連続出場中だったが、その連続が途絶えた。
<Aリーグを知る記者の視点 A League Football Journalist’s Point Of View> 今シーズン(A League 2020-21 Season)から、Aリーグを知る記者の視点から更に詳しくパースグローリーの試合についてお届けする。 |
2020-21シーズンAリーグ パースグローリー試合結果
Matchweek 20(2021年5月12日)
Perth Glory 3 – 0 Western United 会場:HBF Park
連続出場ストップの理由を「監督から休みをもらったので」と端的に答える太田。しかし、実は当初、5月9日のMelbourne Victory戦に休みが宛がわれていた。
5日のMelbourne City戦では太田は初の途中交代となっている。既定路線としてチーム首脳陣は疲労の蓄積を少しでも軽減させるために次の9日のMelbourne Victory戦を休ませるつもりだった。ただ、チームとしてはホームゲームでの連敗は避けなければならい。これ以上負ければファイナルシリーズへの進出も遠のく。
そのために戦術の変更で活路を見出そうとした。4バックから3バックへの変更。その戦術変更には試合経験の豊富な太田が必要不可欠だったわけだ。急遽、9日の試合メンバーに名を連ねた太田は、3人のDFの一人として見事に一失点に抑え、チームを久々の勝利に導いた。
よって、12日のこの日の“休養”は、太田にとって一試合遅れのものだった。
試合前にチーム・スーツ姿の太田を見つけた観客は「今日はプレーしないのか?」と驚かれ、残念がられていたが、けがやベンチ外の選手と一緒にこの日は試合観戦だった。
この日の対戦相手は日本人選手、今井智基を擁するWestern Unitedだった。一部では日本人対決を楽しみにしている声が聞こえてきていたが、残念ながら実現はしなかった。
<ウォーミングアップ中のWestern United、背番号6番の今井に声をかけるグローリーの太田>
参考:【特別インタビュー】Aリーグ初得点を記録!Western United FCの今井智基選手
<試合前にメインスタンドに向かって整列する両チームイレブン>
試合は前半の10分にパースグローリーのストライカー、背番号9番のBruno Fornaroliの見事なFKがWestern Unitedのネットを豪快に揺らした。そして、前半22分にも久々の出場となった背番号22番、先日17歳になったJoshua Rawlinsのクロスを背番号7番のChris Ikonomidisが3試合連続の得点で、グローリーは追加点を得る。
しかし、後半開始からの15分間はWestern Unitedペースで試合が展開し、シュートも6本対1本とグローリーにとって劣勢の時間帯となった。だが、Western Unitedはその時間帯における決定機をものにしなかったツケが回り、77分(後半22分)に途中出場の背番号11番、Joel Chianeseがチームの3点目を叩き出し、勝利を決定づけた。
試合終盤、グローリーの背番号19番、Callum TimminsとWestern Unitedの背番号23番、昨シーズンのJohnny Warren Medal(リーグ最優秀賞)受賞のAlessandro Diamantiや背番号7番でリーグ最多得点記録保持者のBesart Berishaとのプレー以外の舌戦もあったようで、実際にボールのないところでTimminsがBerishaに倒され、グローリーのGK、背番号33番のLiam ReddyとBerishaがつかみかかるシーンもあった。
<けがやベンチ外の選手はスタンド観客席から試合を観戦した>
試合は3-0のまま終了。グローリーが勝ち点3を積み上げ、前節からの3バックで2連勝を飾った。試合終了後、出場選手たちが戻る前のドレッシングルームで太田は「勝ててよかった。次につながる勝ちですね」と笑みがこぼれた。そして、戻って来た出場選手一人一人に拍手をして労った。
ドレッシングルームを後にしてホテルへ引き上げるWestern Unitedのメンバーを乗せたバスの前で久々の再開を果たした今井と太田。一時の談笑を楽しんだが、その時に撮られた写真が太田の公式インスタグラムで公開。「身体ゴツすぎて、ラガーマンかと思いました」といった太田のコメントには、日本のメディアも“ラガーマン級の強靭DF今井智基との豪州2ショット”として取り上げた。
参考:太田宏介の公式インスタグラム。太田と今井のツーショット写真はこちらから!
【試合結果】
Perth Glory 3 – 0 Western United
得点:
<Perth Glory>
Bruno Fornaroli(10分)
Chris Ikonomidis(22分)
Joel Chianese(77分)
文:今城康雄(いまなりやすお)。パースの日本語メディア「The Perth Express」の代表兼、編集長。2005年のAリーグの開幕以来、リーグ公認のメディアとなっている「The Perth Express」のジャーナリストとしても、パースグローリーのホームゲームはほぼ全試合、記者席より取材を重ねてきた。2020年よりパースグローリー日本地区担当マネージャー兼任。
【参考】
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