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満身創痍のグローリーイレブン!連戦でターンオーバーが強いられるも戦力減で勝敗に大きく影響?!



 
ホーム8連戦の7試合目の相手は、Adelaide United。序盤の3試合は1引分け2敗と振るわなかったが、その後は破竹の3連勝。この試合でも勝ち点3をゲットして、ファイナルシリーズ進出に前進したいところだが、試合開始から苦戦を強いられる。
 

<Aリーグを知る記者の視点 A League Football Journalist’s Point Of View>
今シーズン(A League 2020-21 Season)から、Aリーグを知る記者の視点から更に詳しくパースグローリーの試合についてお届けする。

 

2020-21シーズンAリーグ パースグローリー試合結果
Matchweek 21(2021年5月19日)
Perth Glory 2 – 1 Adelaide United 会場:HBF Park

 
 
前半の45分で、シュート数は12本に対して1本。敵陣での支配率がなんと73%と27%。一方的に攻め込まれたグローリーは、27分に先制される。

ベンチのコーチ陣から選手への激が乱れ飛ぶ。前線の選手がボールをキープできないため、ボールに近い位置でプレーしていた守備の選手ばかりに目が行き、そこへの指示が目立った。

前半終了時にはスタジアムからブーイングが鳴る。ハーフタイムで背番号8番の太田宏介は「前がボールをキープできないとずっとディフェンスしなければならない。何もできない」と下を向いた。

そのような劣勢の打開策としてまず、選手交代が取られた。後半開始から一挙に3選手を入れ替える。その策が徐々に成果を見出し、均衡した試合展開へ。

しかし、前半61分(後半16分)。Adelaide Unitedの全攻撃の起点となっていた背番号11番のCraig Goodwinからのロングパスが、太田がマークについていた背番号26番のBen Halloranに通る。Halloranのシュートはゴール右に外れるもグローリーベンチのアシスタントコーチ、Steven McGarryから太田へ指示が飛ぶ。その指示に太田は「I know! No pressure on the ball!」と自分の所ではなく、パスの出所、つまりGoodwinへのプレッシャーがなかったからパスが通ってしまったんだと言い返した。

試合後、あのアシスタントコーチとのやり取りについては「初めてだったかもしれませんね、言い返したのは」と話していた太田。

試合は終盤に差し掛かり、敵陣に攻め込む時間が多くなったグローリー。明らかに前線でのボールの溜めができるようになったため、後方の太田からも攻撃参加できるようになった。左サイドからの正確なクロスが太田から上がる。

そして、78分(後半33分)にとうとう相手のゴールマウスをこじ開けるグローリー。背番号7番のChris Ikonomidisからのクロスにゴール前でストライカーの背番号9番、Bruno Fornaroliが完璧に頭で合わせる。得点後、人差し指と中指で両目を指すお決まりのパーフォーマンスでゴールを喜んだ。このパフォーマンスは、生まれ育ったウルグアイにいる家族へ「今は遠く離れているけど俺のことを見守っていてくれ、俺も一時も忘れていないからな」という家族への思いが込められている。

スコアボードは1-1。残り時間は10分足らず。どちらが勝ち点3を渇望するか。そこは、追い上げてきたチームの利もあり、グローリーに軍配が上がった。

カウンターの起点になったのは太田だった。相手の攻撃を太田が阻止し、そのボールが前線へとつながる。そして、1点目とは逆にFornaroliからのラストパスをIkonomidisがフィニッシュ。スタジアムは歓喜で湧いた。

試合は、見事な逆転劇で幕を閉じた。順位も一つあがり、ファイナルシリーズ進出へ現実味が帯びてきた。試合後、太田は「サッカーで4連勝はなかなかできないですよ!」と少し誇らしげにお道化て見せた。
 

【試合結果】
Perth Glory 2 – 1 Adelaide United

得点:
<Perth Glory>
Bruno Fornaroli(78分)
Chris Ikonomidis(86分)

<Adelaide United>
Kusini Yengi(28分)

 
文:今城康雄(いまなりやすお)。パースの日本語メディア「The Perth Express」の代表兼、編集長。2005年のAリーグの開幕以来、リーグ公認のメディアとなっている「The Perth Express」のジャーナリストとしても、パースグローリーのホームゲームはほぼ全試合、記者席より取材を重ねてきた。2020年よりパースグローリー日本地区担当マネージャー兼任。
 
 
【参考】
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関連(外部リンク):太田宏介オフィシャルインスタグラム
関連(外部リンク):太田宏介オフィシャルブログ
関連(外部リンク):太田宏介オフィシャルツイッター







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