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1勝1敗で迎えた“ホーム”のタスマニア最終戦。何としてでも勝ち越しで終わりたいグローリーだったが・・・



 
一時的なホームゲーム扱いとしてグローリーはスマニアで試合を行い、今回が最終戦の3試合目。対戦相手は日本人選手、背番号6番の今井智基擁するWestern United。グローリーの背番号8番、太田宏介との直接対決は過去に7回あったとParamount Plusのブロードキャスターが伝えた。Jリーグでは6回、Aリーグでは1回で、計7回。勝敗は、3勝3敗一引き分けのイーブンと。
 

<Aリーグを知る記者の視点 A League Football Journalist’s Point Of View>
Aリーグを知る記者の視点から更に詳しくパースグローリーの選手紹介や試合結果についてお届けする。

 

2021 – 22シーズンAリーグ パースグローリー試合結果
Round 16(2022年2月27日)
Perth Glory 0 – 2 Western United 会場:UTAS Stadium, Launceston

 
試合後、「チームの総力として、差がありましたね」が太田の第一声だったが、ポゼッションは62%と38%でグローリーが優り、パスの数も676本と418本、成功率でも89%と83%でグローリーが勝った。しかし、太田は「パスは自分たちで回すしかなかっただけです。相手にそうさせられただけです。自分たちのサッカーができませんでした」と電話インタビューでそう話していた

Western Unitedの背番号5番、Dylan PIERIASが右から、背番号8番のLachlan WALESが左から、中央では背番号99番のAleksandar PRIJOVICの3選手が前線で躍動し、元グローリーの背番号88番のNeil KILKENNY、背番号44番のNikolai TOPOR-STANLEY、そしてキャプテンの背番号19番、Josh RISDON3選手も後方から効果のある働きで試合をコントロールした。

ボールをキープする時間帯が続くも、「相手にとって怖くなかったと思います」の太田の言葉通り、結局はゴール前まで攻め込むことはほぼできなかったグローリー。そんな中、前半37分、後方から上がって来たWestern UnitedのTOPOR-STANLEYがグローリーのDFに競り勝ち、ラストパスをPRIJOVICへ。PRIJOVICはそのボールを落ち着いてゴール右隅に流し込んだ。Western Unitedが先制する。

後半も試合展開は変わらず。迎えた後半11分、KILKENNYからの裏に出た縦パスを背番号10番のSteven LUSTICAが速いテンポで難なくなゴール前に折り返す。グローリーのセンターバック、背番号5番のJonathan ASPROPOTAMITISと背番号29番のDarryl LACHMAN、そして逆サイドにいた太田にとっては、あの展開で攻撃されてしまうともはや成すすべなく、Western UnitedのPIERIASが簡単に2点目を計上した。

後半19分、グローリーのベンチが大ナタを振るう。3選手を一気に交代させ、両サイドバックの太田と背番号19番のJosh RAWLINSの代わりに攻撃の選手が投入された。9分後にも2選手が交代で入り、交代枠を最大限に利用した。ただ、シュートの数は増えたものの、相手を崩した形でのフィニッシュはほとんどなく、両チームイレブンはその後、試合終了のホイッスルを聞く。

Western Unitedの今井智基はこの日、ベンチスタート。後半38分にRISDONと交代で出場し、RISDONから受け取ったキャプテンマークを左腕に付けてプレーした。

「そろそろバスに乗ります。ただ・・・、引きずらず、気持ちを切り替えます。ストレスを溜めないで、次の試合に臨みます」といった太田の言葉がスタジアムから宿舎ホテルに帰るバスのエンジン音と重なっていた。

 
※まだまだ続くグローリーのアウェイゲーム。動画配信サービスの『Paramount+』に加入すれば、オーストラリア国内からAリーグをライブで、全試合観戦でき、パースにいるグローリーサポーターもグローリーのアウェイ試合を観戦できる。『Paramount+』のサブスクリプションは月$8.99。加入はこちらから。
 
【試合結果】
Perth Glory 0 – 2 Western United
(ハーフタイム: 0 – 1)
会場:UTAS Stadium, Launceston
得点:<Western United> Aleksandar PRIJOVIC(37分)、Dylan PIERIAS(56分)

<パースグローリーのスターティング・ラインナップ>
背番号33. Liam REDDY(GK)、背番号5. Jonathan ASPROPOTAMITIS、背番号8. 太田宏介(背番号38. Ciaran BRAMWELLに64分に交代)、背番号9. Bruno FORNAROLI(キャプテン)、背番号14. Jack CLISBY、背番号19. Callum TIMMINS(背番号18. Daniel STYNESに73分に交代)、背番号21. Antonee BURKE-GILROY、背番号22. Josh RAWLINS(背番号43. Adam ZIMARINOに64分に交代)、背番号23. Mitch OXBORROW(背番号13. Brandon O’NEILLに64分に交代)、背番号26. Giordano COLLI、背番号29. Darryl LACHMAN(背番号16. Darko STANOJEVICに73分に交代)
 

文:今城康雄(いまなりやすお)。パースの日本語メディア「The Perth Express」の代表兼、編集長。2005年のAリーグの開幕以来、リーグ公認のメディアとなっている「The Perth Express」のジャーナリストとしても、パースグローリーのホームゲームはほぼ全試合、記者席より取材を重ねてきた。2020年よりパースグローリー日本地区担当マネージャー兼通訳を兼務。

 
 
【参考】
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