Queensland
クイーンズランド州
【分布】
ケアンズ付近を発端に繁殖し、南はブリスベン、ゴールドコーストを経てNSW州の境界を越え、北はヨーク岬まで範囲を広げ、その後NT準州の境界を猛スピードで突破した。内陸部にも徐々に進出し、これまでに州の半分近くが生育地となっている。
【対策】
QLD州ではオオヒキガエルは「有害動物」として登録されておらず、これまで州規模での駆除対策が実施された例はない。1989年、ブリスベン市議会が「オオヒキガエル撲滅委員会」を設立し、フェンスでオオヒキガエルを庭から遠ざけることを勧めると共に、駆除方法としては冷凍することが最も人道的と指導している。しかし、州規模の駆除は推奨されておらず、あくまで市民1人1人の対応に任されている。
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New South Wales
ニュー・サウス・ウェールズ州
【分布】
州境の街から沿岸部を中心にヤンバ地区まで生息地が拡大しているとともに、前線から数百キロ離れたポート・マッコーリー付近でも生息が確認されている。その他の沿岸部にも点在が確認されており、シドニーのハーバーブリッジ付近でも目撃情報がある。
【対策】
ヤンバ地区からポート・マッコリーにかけての沿岸部が非常に侵略されやすい地区と考えられており、突発するオオヒキガエルの駆除に努め、南への進行を防いでいる。オオヒキガエルの目撃情報は、NSW州の国立公園の保全や生態系の保全を担うNPWS(NSW州国立公園野生生物局)に報告され、NPWSが移送の経緯などを詳細に調査し、撃退に務めている。
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NPWS ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
・NPWSは、 ヤンバ地区から南の沿岸部にてオオヒキガエル駆除キャンペーンを行っている。8回目を迎えた今年のキャンペーンには、過去最高の210人の一般市民が参加して3300匹以上のオオヒキガエルを捕獲した。活動目的は、撲滅ではなく個体数を減少させることで、生息地の拡大を防ぐことが生態系の保全につながると考えている。
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Nothan Territory
ノーザン・テリトリー準州
【分布】
オオヒキガエル前線は、カーペンタリア湾を通過してカカドゥ国立公園に定着、まもなくダーウィンにも進入しようとしている。既にダーウィン市内やティンバ−・クリーク市内に、数体が侵入していることが確認されており、危機感をさらに強めている。
【対策】
オオヒキガエル前線は、この雨季にダーウィンに進入する恐れが高く、一般市民らの協力を得てこれを防ぐため、NT準州政府はオオヒキガエルの罠代30ドルを払い戻す施策を発表した。政府承認の罠のみが払い戻し対象となっており、2005年に行われたコンテストの優秀作が採用されている。政府は、罠ではオオヒキガエルを根絶することはできないが、その個体数を減少させ、生態系を守ることができるとして、この施策に$100,000の予算を割いた。
■トード・バスターズ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
・トード・バスターズ」は、オオヒキガエルが生態系に与える影響を最小限に食い止める、あらゆる地域でオオヒキガエルを根絶することを目的としている。政府の資金援助を受けながら、各地で市民参加を呼びかけ、人の手による活動でオオヒキガエル駆除を行っている。1つの地域で、オオヒキガエルの数がピークに達するまでに5年〜7年かかると考えられているため、増殖の初期段階で手を打てば、生態系の破壊を食い止められると見ている。
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オオヒキガエルの卵を採集するトード・バスターズの会員 |
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オオヒキガエルの収集活動をする人々 |
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