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[第2節] 勝負へのこだわり

「オウンゴールだったけど素直に嬉しかった。清水エスパルスに在籍していた時、イングランドから来ていたコーチが、『サッカーは、何が起こるか分からない。スーパーシュートでも、泥臭いシュートでも、こぼれ玉でも入れば、1点は1点。どんな状況があるか分からないから、いつでも予測してプレーするように』って言われたことがあります。でも、すぐさまの同点は、精神的にきつかった」

雨も小雨へと変わり、両チームともパスが通り始めた。そして、石田の足にもボールが磁石のように付き始めた。柔らかいファーストトラップに、想像性豊かなフェイント、正確なセンタリングは相手チームの脅威となった。
 1人の女性記者の「アノ12バンハ、ダレ?」との質問に、男性記者が「ニホンジンセンシュノ、イシダ!Good Player!!」といった会話が記者席で飛び交った。後半16分には、ドリブルでペナルティーエリア手前まで持ち込み、左足を振りぬく石田。惜しくもクロスバーの上に外れたが、雨で重くなったピッチで絶えずボールに絡む石田の運動量は群を抜いていた。