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[第2節] 勝負へのこだわり

「チームを鼓舞する気持ちと、『やってやろう』という気持ちが先頭を走らせたのだと思います。あと、雨が降っていたので身体を冷やさず、スタートから100%の力で行きたかったので長袖を着ていました。スパイクも固定を使うか、ポイントを使うか最初は考えました。確かに滑るグラウンドではポイントの方がスピードのロスを防げられますが、自分のスタイルは固定なので、迷わず固定でいきました」

石田のポジションは、右サイドの攻撃的なMF。その左隣には、豪州代表で、背番号4番のSimon Colosimo。そして、歴代出場試合数、総得点数でチームトップを走る、ミスター・グローリーこと背番号10番のBobby Despotovskiが、石田の前にポジションをとる。センターサークルに置かれたボールに、SimonとBobbyがゆっくりと歩み寄った。午後7時40分、予定より10分遅れでキックオフの笛が鳴った。Bobbyの右足が軽くボールに触れる。そのボールをすかさずSimonから右タッチライン沿いを走る石田へグランダーのパス。しかし、石田の痛恨のトラップミス。それがこの試合の幕開けだった。