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[第2節] 勝負へのこだわり

最初のシュートは始まって1分。豪州U−20代表、グローリーの背番号8番、Nick Ward からのボールを受け、背番号16番のFW、Neil Teggartによるものだった。雨脚は更に強くなり、視界もままならないほどではあったが、始まって15分はグローリーのペースで試合は進められた。そして、前半20分。グローリーに決定的なチャンスが生まれる。右サイドライン際をドリブルで攻め上がる石田は、左45度前方にBobbyの姿を捉え、素早くパス。相手MFを交わし、Bobbyからのワンツーパスを受ける。そして石田にパスを叩いたBobbyがゴール前に向かって猛然と走る。瞬時の判断だった。右足でそのBobbyへセンタリング。カーブのかかった絶妙なパスだった。上がったセンタリングはBobbyの頭からNeilへ。残念ながらNeilのフィニッシュまでには至らなかったが、相手ディフェンスラインを完全に崩したグローリーの攻撃に、スタンドは酔いしれた。
 「立ち上がりの15分はグローリーのリズムでした。でも、サッカーは攻める時もあれば、攻められる時もある。リズムも90分間でいろいろと変化する。自分のマークについていた背番号3番のAlvin Ceccoliは、以前ギリシャでもプレーした経験がある選手で、確かに良い選手でした。足がそう速くない分、味方の選手の援護を引き出すプレーが上手く、その結果、どうしても自分が2人の選手と向き合う局面が増えてしまいました」