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[第1節] 自分の信じた道へ

3年目の2003-2004シーズンは、チームのオーナーが変わり、チーム名もシドニー・オリンピックに変わった。そして、チームメイトの顔ぶれも変わった。石田自身では自分を評価できるシーズンではあったが、チームとしてはリーグ7位と不本意な成績だった。

きれいに食べ終えられたパスタの皿を片付ける店員に礼を告げ、食後のコーヒーを注文した。先程までの陽気な周りの笑い声も、だいぶ静かになっている。
 「人生どうなるか分からない。でも、自分の将来が楽しみです。今ももちろん、楽しんでいますよ。楽しまなきゃ、損ですしね」
と切り出した石田は、運ばれてきたカプチーノを飲みながら、続けた。

 「悩みがない人なんか、いないと思います。その悩みも大小の違いだけ。何があっても前向きに、楽しむようにしています。実際、楽しめば力が出る。『がんばろう』という力が沸いてくる。人間、『がんばろう』という気持ちがなくなったら終わりですよね」