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[第1節] 自分の信じた道へ

中学校を卒業し、単身でブラジルに渡った。
 15歳というまだまだ自分の将来を決めるには早すぎる少年が、自分の夢を信じ、決断をした。
 「中学3年生の時、イタリアのユベントスに短期サッカー留学をしたんです。その時、自分にはこれだ、と思ったんです」

中学時代は、神奈川の横浜栄FCで、日々サッカーの練習に明け暮れた。学校が終わり、往復1時間半をかけて週に4回、練習に通った。背番号10番をつけ、トップ下のポジションで、いつもピッチに立っていた。そんな石田にとってイタリアの経験は、サッカーをプロの選手としてやりたいという強い思いをさらに掻き立てた。そしてそれは、彼にとってブラジルへ行くことだった。しかし、周りの同級生はみんな高校に進学し、もし自分がプロのサッカー選手になれなかったら肉体労働でもしながら、一生暮らすことになることも15歳の石田には分かっていた。中学卒業後、旅費を稼ぐため新聞配達のアルバイトをしていた時、中学校の同級生と道端で偶然出会う。なぜかその時、劣等感のようなものを感じたのは確かだった。でも、プロでサッカーをしたい、ただそれだけを思い、1995年の11月、ブラジルのニチカ・ロンドリーナ・サッカー学院の門を叩いた。