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[第1節] 自分の信じた道へ

当初は、3ヶ月間だけのつもりでブラジルに渡った15歳の石田は、なんとそこで特待生としての待遇を得ることになる。自分と同じようにプロを目指し、日本から来た100人以上の中から、たった1人だけ特待生に選ばれた彼に、生活に掛かる一切の費用がチームから支給された。
 「出場した試合でいいパフォーマンスができて、その試合を観に来ていた他のチームの関係者から、ウチでやらないかというオファーをもらったんです。でもニチカも、それならばということで、俺の面倒を全部みてくれるようになったんです」
 3ヶ月で帰国する予定が、3年に延びた。本場ブラジルでサッカーができるといった環境が与えられたことは、石田にとって最高だった。そして、この3年間で学んだことは、今の彼のプレースタイルにも影響している。

ブラジルを離れ、日本に帰国した石田は、テスト入団で清水エスパルスとプロ契約を結んだ。1998年の10月だった。19歳の時である。しかし、15歳の時にみたプロへの夢は、果実を実らすまでには至らなかった。