外国人が現地のビルマの人にまじって屋台に座っていると、そんな子供達が目につくのかしれない。あっさりしたシャン(民族の)麺を口にしていると、いつも横から小さな手がいくつも伸びてくる。食事を終えて立ち上がると、子供達は、後ろからぞろぞろとついて来る。そんな時は、屋台で肉まんや果物を買い求め、彼らと分け合って食べることにしていた。
空腹の子供達は我先に手を出し、私の周りは収集がつかなくなる。アウンジョはそんな時、「待って、順番だよ。順番だよ」と、はやる子供達を抑え、私の前に並ばせていた。
2002年の11月のある日。16時過ぎ、写真撮影からホテルに戻ると、またまた停電だった。それだけで一日の疲れが倍増する。この数日、やけに停電が多い。17時半、ようやく電気が来た。ビルマ語の復習を終え、中華街に夕食を食べに行くことにした。
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やはりいる。2人見つけた。先日会った、気になるちっちゃな方もいた。
「名前は?」と聞くと、「アウンジョ」と答える。
「歳は?」「知らない」「どこに住んでる?」「アウンミンガラ(野菜市場)」「お母さん、お父さんは?」「いない」
ちっちゃな身体に、ちっちゃなシャンバッグをかけている。
「中に何が入ってんだ」
素直に、ごそごそと中身を見せてくれる。麺の入ったビニール袋が出てきた。ご飯として誰かにもらったんだろうか。
「じゃあ、今日はお腹はすいていないんだな」
「お腹はすいていない。でも、お金、500Kでいいからちょうだい」
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