これは、自分が写真を撮影し、発表するようになって初めて、強く意識し始めた。自分はどんな影響を受けて育ってきたのか、特にビジュアル的な影響を頭の中に、生活感覚としてすり込まれてきたのか。
 オリジナリティのある写真撮影や作品作りには、自分の解体がまず必要でないのか。そう、意識し始めた。特に、自分自身が活字人間であると自覚しているだけに、頭の切り替えがちょっと大変だった。しかし、ビジュアルな面で考えさせてくれたために、自分の脳に、今までとはちょっと違った刺激を与えてくれた。

   写真を写すといっても、所詮はフィルム(デジタルも含めて)に、自分の見た現実世界を複製しているに過ぎない。だから、いかに現実世界を意識的に見ているか認識するのもまた重要なのである。
 撮したいと思う被写体にメッセージがあり、そのメッセージに説得力があれば、それは写真であれ、動画であれ、文章であれ、構わない。大切なのは、何が大切なのか、大切なモノの本質を見抜く力である。


   


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