[第8節] サッカー選手とメディア
石田 「今までメディアに対してクレームを付けたことはない。掲載された内容が、自分が言ったことを面白く書いたり、脚色することで読者の食いつきがよくなるような書き方を何回かされたことがあるけど、俺にはそう影響はなかった。でも、新聞にいやなことが書かれていたとしても、そんなことを気にしていたらサッカー選手としてやっていけない」 — 繰り返すが、近代サッカーの大衆化はメディアなくしては語れない。そして、早くからそのメディアによってサッカーが浸透してきたヨーロッパでは、サッカー選手とメディアが長い間、共存してきた。そのヨーロッパのメディアは、サッカー選手について非常に辛らつである。結果の残せない選手はこき下ろし、活躍する選手は賞賛する。その関係は、事実を忠実に映し出すことに、少なくても反してはいない。