石田 「『自分はこういう風に伝え、選手の言ったことは忠実に伝える』といったことを試行錯誤して、プライドを持ってやっているジャーナリストはどれだけいるのか。俺は分からないけど、もし全てのジャーナリストがそのようなことを考えてやっていたならば、選手とメディアとの問題は起こらないと思う。なのに、何であんなに起こっているのか…」
— 確かに、なぜあの中田英寿があそこまでメディアを毛嫌いするのか、中田英寿にもそれ相応の理由があったからということも理解できる。話者と聞き手が抱えている社会的責任の比重が均衡していないため、サッカー選手とメディアの間に摩擦が生じるのだろう。
石田 「選手側も真剣に答えるから、真剣に質問してほしいと思う。小学生や中学生が質問するようなことではなく、またマニュアル通りじゃなく。確かに、上からのプレッシャーがあるのかもしれないけど」
— この“上”は、メディアに表現される前のシナリオと判断する。つまり“こういう企画で紹介するので、このような感じで話を聞く”という台本のようなもの。この台本がどのように作られ、どのように利害関係が絡み合っているのかは各種メディアによって違うだろうが、その台本がマニュアルとなり、聞き手の怠慢を生んでしまうのは問題である。
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