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[第15節] 信仰とサッカー

チームへの合流はすんなりいった。今まで4カ国以上でプレーしてきた石田の経験からすれば当たり前なのかもしれないが、今回はいつもとはちょっと違った。なぜなら、自分と同じ境遇、つまり一度挫折を味わった選手が多かったからかもしれない。石田にとって2000年に清水エスパルスから戦力外通告を下された屈辱は、今でも忘れることはない。

6月21日、石田は成田空港にいた。ワールドカップのためJリーグが一時中断している期間を利用して、ヴァンフォーレ甲府は韓国でキャンプを張った。このキャンプは、石田にとって大きな意味を持つ。シーズン途中からチームに加わり、海外からの移籍選手という肩書きは、どうしても期待を背負うかたちになる。そして、このキャンプで自分の力を見せ、チームにとって必要不可欠な存在であることをアピールする必要があった。チームへの自分の第一印象は、このキャンプで決まると考えていた。

このキャンプでは、アマチュアのチームを含め6チームとの練習試合が組まれていた。初戦は23日、韓国ナショナルリーグ(日本のJ2に相当)の国民銀行との試合だった。45分を3本行った試合の中で唯一のシュートは、石田のシュートが相手ゴールキーパーにはじかれ、それをチームメートが押し込んだものだった。