西オーストラリア州の南西部はイギリスより多少大きく、パースから400キロ北に位置するジェラルトンからほぼ同距離を南に下ったアルバニーにまで広がっている。海と砂漠とで外の世界から隔離されたこの地域は、ユニークな生態系を育んだ。そして堅木の森林と豊かな雨の恵みを受けるその大地は、「ニュー
イングランド」を建設するのに格好の場所と思われた。1920年代にこの最南西地域で、集団開拓計画が作成、実行された。移民者達はそこで待ちうけているだろう困難を知らず、希望に高揚し、瞳を輝かせて夢を実現するために故国を後にしたのだった。
私の両親もこの計画に参加するために、
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1927年にイギリスを発った。しかし母が病に倒れ、堪え忍んできたこの土地を1932年に後にした。この記録は、私の幼き日の記憶をたぐりよせ、この開拓計画を通じて両親と家族が経験したことを綴ったものである。幼き日のあの‘香り’を子供や孫に味あわせてやりたい。時計の針を逆に動かすことはできないが…。
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