Q:
パートナービザの申請が却下されてしまいました。却下された理由に納得がいきません。ビザの申請が却下された時に不服申し立てをする方法を教えてください。
A:
ビザの申請が却下またはビザがキャンセルされてしまった場合、【Administrative Appeals Tribunal(AAT)】に不服申し立てを行うことができます。また、AATでも申請が却下された場合には、【Federal Court】に不服申し立てができます。以下、不服申し立ての方法を順に説明します。
まず、ビザの申請が却下された時に不服申し立てができるのは、オーストラリア国内でビザを申請した場合かオーストラリア国内にスポンサーがいる場合のみです。一度ビザの申請が却下されると、移民局にかけあっても決定が覆ることはありません。ビザの申請を却下された時、またビザがキャンセルされた時に必ず『your review rights』と不服申し立てが可能か、不服申し立てが可能な期間が明記された手紙が送られてきます。不服申し立てを考える場合には、この手紙の内容をよく読んでおく必要があります。
【Administrative Appeals Tribunal(AAT)】
AATに不服申し立てをするには、Application Formに必要事項を記入、申請内容をサポートする書類を添付して申請費用とともにAATに提出する必要があります。サポートする書類には定型のものがありませんので英語力が必要です。不服申し立てを行う場合には移民法弁護士に依頼することをお勧めします。申請費用は1,731ドルで、不服申し立てが認められた場合には50%がリファンドされて戻ってきます。AATが審査をしている期間は、既に発行されているブリッジングビザが継続されて有効になるので合法的にオーストラリアに滞在することができます。不服申し立てが認められた場合にはビザの申請が移民局に差し戻され、多くの場合、ビザが発給されることになります。稀に再度、移民局側でビザ申請が却下される場合がありますが、その場合には再度AATにアピールするという流れになります。
【Federal Court】
AATでも申請が却下された場合には、Federal Courtに不服申し立てができます。ですが、成功率はAATと比較すると非常に低いものとなっています。Federal CourtではAATの決定に法的なエラーがあるかが審査されるので、法律的な知識がAAT以上に必要になります。Federal Courtで審査が行われている期間は自動的にブリッジングビザが適用されないので、新たなブリッジングビザを所定の期間内に申請しないと不法滞在になってしまう場合があります。
他にも不服申し立てをする方法は僅かながらありますが、上記の流れが主となります。今回のご質問のケースの場合も、ビザ専門家にご相談することをお勧めします。
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件名:ビザと移住係
鈴木 竜一郎
Japan Australia Settlements Group代表
1987年、 早稲田大学商学部卒業。 2000年にカーティン工科大学MBA卒業後、 2001年にエディスコーワン大学会計学修士卒業。
□ 登録税務代理人:25479352
□ 登録移民申請代理人: MARN 1173457
□ ファイナンシャルアドバイザー(AFP)