Q:
オーストラリアに永住して10年を過ぎたのでオーストラリア国籍の取得を考えています。『永住権』と『国籍』の主な違い、国籍の申請方法を教えてください。
A:
オーストラリアの『国籍』を取得すると『永住権』には無い権利を得ることができます。連邦政府、州政府、地方政府の選挙に投票できる、上記の各議会に立候補できる、国家公務員、オーストラリア国防軍に就職できる、オーストラリアのパスポートを取得できる、オーストラリア国外で生まれた子どもにオーストラリア国籍が与えられるといった権利です。同時に、連邦政府、州政府の選挙に投票すること、必要が生じた場合にはオーストラリアの国防に従事すること、指名されたら陪審員としてサービスすることが国民の義務として課せられます。
この質問のケースでは、自分の意思でオーストラリアの国籍を取得することになるので、日本の国籍法第11条第1項(自分の意思で外国国籍を取得した場合)に該当し、日本国籍は自動的に喪失します。日本の法務省に届け出をしなくても、オーストラリア国籍を取得した日に日本国籍は喪失した扱いになるのでご注意ください。オーストラリア国籍を取得した後も日本のパスポートを使って出入国すると、日本国籍を持たない者が日本のパスポートを使ったということで旅券法違反に問われる場合があります。
オーストラリアに4年以上居住し、永住権を取得して12ヶ月以上経過していれば、オーストラリア国籍(Citizenship)を申請することができます。過去4年のうち、1年以上オーストラリアを離れていた期間がないことが条件になります。16歳以下のお子さんは市民権申請に含むことができます。アプリケーションフォーム、写真や個人のIDを証明できる書類、無犯罪証明書などを申請料285ドルとともに移民局に提出します。後日、移民局からCitizenship Testあるいはインタビューをどこで受けるかの通知があります。Citizenship Testは制限時間45分で20問のオーストラリアに関する問題に解答し、15問以上正解すると合格になります。通常はコンピュータを使って行われるのでその場で結果が分かり、不合格だった場合には再度受験することもできます。時間をおいて再受験したい場合には、次の試験日を予約することになります。Citizenship Testは、18歳以下、60歳以上の場合は免除されます。
オーストラリア国籍申請の全ての手続きが完了し、申請が認められるとCitizenship Ceremonyへの招待が届きます。これは単なる儀礼ではなく、Australian Citizenship Pledgeと呼ばれるオーストラリア国民になるための宣誓をする必要があります。この宣誓が終了すると、Ceremonyの場でCitizenship Certificateが手渡され、正式にオーストラリア国籍が取得できたことになります。
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件名:ビザと移住係
鈴木 竜一郎
Japan Australia Settlements代表
1987年、 早稲田大学商学部卒業。 2000年にカーティン工科大学MBA卒業後、 2001年にエディスコーワン大学会計学修士卒業。
□ 登録税務代理人:25479352
□ 登録移民申請代理人: MARN 1173457
□ ファイナンシャルアドバイザー(AFP)