慣れない環境だからこそ体調管理は大切になります。その際のメディカルチェック(医療検査)も臆さず受けたいところ。しかし、どんなチェックをされるのか…。日本との違いを参考に、オーストラリアのメディカルチェックを専門家が紹介します。第4回目は「血液検査(全血球数)」のメディカルチェックについてです。
Check 04 血液検査(全血球数)について
今回から健康診断などでよく行われる血液検査の検査項目について説明致します。健康診断で主に行われる血液検査では、赤血球や白血球などの全血球数、コレステロールや血糖値、肝機能や腎機能が数値によって示されますが、それぞれの項目についてどのような意味をもつのか、検査の結果を持っているのなら自身の結果と合わせて振り返ってみてください。今回は、全血球数についてです。
以下は、全血球数の検査結果項目となります。
・Haemoglobin(ヘモグロビン・血色素量)
・Haematocrit(ヘマトクリット値)
・RCC(赤血球)
・MCV(平均赤血球容積)
・MCH(平均赤血球血色素量)
・MCHC(平均赤血球血色素濃度)
・RDW(赤血球分布幅)
・WCC(白血球)
・Neutrophils(好中球)
・Lymphocytes(リンパ球)
・Monocytes(単球)
・Eosinophils(好酸球)
・Basophils(好塩基球)
・Platelets(血小板)
◆赤血球
赤血球(RCC)は体中の組織に酸素を運び、二酸化炭素を回収する役目をもちます。赤血球の数が減少すると貧血となり必要な酸素が送られなくなりますし、数が多すぎると多血症となり血液の流れが悪くなるために血管が詰まりやすくなります。貧血にはいくつかの原因がありますが、平均赤血球容積(MCV)や平均赤血球血色素濃度(MCHC)を比較することでその原因を診断することができます。
◆白血球
白血球(WCC)は、細菌や異物が体内に侵入すると、それを取り込み、分解して無毒化して体を守るという大切な役目を持ちます。体内に細菌や異物が侵入して炎症を起こすと、対抗するために白血球はさかんに作られ増えます。また、白血病などで骨髄が異常増殖を起こした場合、著しく増加したり、また逆に減少したりします。白血球の数が少なくなると体の防御反応が低下し、病原体に感染しやすくなります。白血球はさらに詳しく調べると好中球(Neutrophils)、リンパ球(Lymphocytes)、単球(Monocytes)、好酸球(Eosinophils)、好塩基球(Basophils)の5つに分類され、そのうちのどれが増減しているかで、病気診断の手助けとなります。
◆血小板
血小板(Platelets)は、出血した時に血を止める役目を持ちます。粘着性があり、出血すると損傷した血管にくっついて血栓となり出血を止めます。そのため血小板が減少すると出血しやすくなったり、出血が止まらなくなったりします。逆に血小板の数が多くなりすぎると血液が固まりやすくなり、血栓ができて、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高くなります。
◆ヘモグロビン
ヘモグロビン(Haemoglobin)は赤血球(RCC)に含まれる血色素で、体に酸素を運ぶ大切な役目を持ちます。これが減少すると貧血となります。ヘマトクリット(Haematocrit)は一定量の血液の中にどれくらいの割合で赤血球が含まれているかを示すものです。赤血球が減るとヘモグロビンもヘマトクリットの数も減ります。この3つの値は密接に関係して、これらを基にして貧血の種類を診断することができます。
ご案内人 日本語医療センター マネージャー 千綿 真美さん
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