慣れない環境だからこそ体調管理は大切になります。その際のメディカルチェック(医療検査)も臆さず受けたいところ。しかし、どんなチェックをされるのか…。日本との違いを参考に、オーストラリアのメディカルチェックを専門家が紹介します。第3回目は「アレルギーの検査」のメディカルチェックについてです。
アレルギーの検査について
◆アレルギーとは
アレルギーとは、人間の体内に侵入しようとする異物を排除するための免疫機能が、本来身体に無害な物質に対して過敏に反応する状態です。ハウスダストをはじめ、様々な動物や植物とその花粉、食べ物や化学物質などありとあらゆるものがその原因となりえます。
◆オーストラリアに来たから発症?
日本では問題なかったのにオーストラリアに来てから花粉症、喘息、アトピーなどの皮膚のトラブル、原因不明の蕁麻疹などを発症する日本人の方が多くいます。「なぜ?」という疑問をよく耳にしますが、必ずしもオーストラリアに来たこと自体に原因があるわけではありません。年齢とアレルギー発症の関係についてははっきりと解明されていませんが、どこに住んでいても大人になってからアレルギーを突然発症、あるいは再発することはよくあります。また、今まで問題なく使っていた化粧品、あるいは身につけていたアクセサリーに突然アレルギー反応を起こすこともあります。
◆アレルギー検査の前に
日本では皮膚科や内科を受診し、すぐに血液検査やパッチテスト(皮内反応テスト)をしてもらえますが、オーストラリアでは重症なアレルギーでない限りすぐに検査をすることはあまりありません。症状や所見からアレルギーと診断し、まずはアレルギーを抑える抗ヒスタミン剤やステロイド剤を使って対症療法が行われるのが一般的です。
◆オーストラリアのアレルギー検査
アレルギーの検査には血液検査とパッチテストがありますが、オーストラリアのGPでは一般的に血液検査を受けることができます。血液検査は特異的IgE抗体検査(RAST TEST)で、疑わしいアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)をいくつか挙げて調べます。主なものは6歳以下の乳幼児では牛乳、ダストマイト、卵白、ピーナッツ、豆乳など、6歳以上の子ども、あるいは成人では犬、猫、ダストマイト、芝の花粉、カビなどですが、他にも疑わしいものはその項目を指定すれば調べられます。オーストラリアでは、パッチテストはアレルギーの専門医によって行われるので、GPから紹介状をもらって予約を取らなければならず、2~3ヶ月の予約待ちはよくあることです。
症状の程度にもよりますが、アレルギー症状に悩まされているのであれば、まずはGPを受診して相談しましょう。
ご案内人 日本語医療センター マネージャー 千綿 真美さん
【情報提供】
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