オーストラリアと日本をつなぐリンク・メディア『パースエクスプレス』

地力に勝る王国とポテンシャルの一端を見せたサッカルーズ


サッカーのブラジル代表といえば、FIFAワールドカップで史上最多の5度の優勝を誇り、これまでに世界中のサッカーファンを魅了してきた。セレソンの愛称で呼ばれるその最強軍団が、オーストラリア代表と9月25日と9月30日に親善試合を行った。

今年2026年の6月に開催された北中米共催ワールドカップで日本代表と決勝トーナメント1回戦で対戦し、勝利したものの、続くベスト16でノルウェー代表に敗れたブラジル代表。2018年、2022年のワールドカップもベスト8で姿を消すなど、近年の不調に新たなタレント育成や世代交代がうまくいっていないなどといった理由が挙げられている。そんな中、史上初の外国人監督として最強軍団を2025年から率いているカルロ・アンチェロッティ監督は留任を表明し、2028年の南米選手権までの次のサイクルを引き受けた。欧州のビッグクラブで優勝請負人として数々のタイトルを獲得してきたイタリア人名将、アンチェロッティ監督は一部メディアに「しばらく選手はテストで起用する。ファンには辛抱してもらわなければならない」と言い、ワールドカップ後初となる国際試合の相手にオーストラリアを選んだ。

一方、北中米共催ワールドカップではベスト32で敗退したサッカルーズ(オーストラリア男子サッカーチームの公式愛称/Socceroos)。2006年のワールドカップでは日本を破り、2015年のアジアカップでは優勝するなどサッカルーズの躍進は際立っていたが、2018年と2022年のワールドカップではベスト16止まりで、ここ近年、欧州の5大リーグの第一線でレギュラーを張るような突出したスター選手も見当たらない。そんな中、ワールドカップ後初となる国際試合がブラジル代表との対戦となり、オーストラリアサッカー連盟として、また国内のサッカーファンにとってもいろいろな意味で期待のもてるリスタートとなった。

1戦目は、QLD州のTownsvilleにあるQueensland Country Bank Stadiumで行われた。試合結果は1対1の引き分け。アンチェロッティ監督は「選手起用は試験的」と公言していたものの、サッカー王国相手に試合終了間際まで1対0でリードしていたオーストラリア代表にとっては一定の評価を与えられる結果となった。オーストラリア代表のブラジルA代表との過去の戦績は9試合を戦い、1勝7敗1引き分けだったことを踏まえると、この引き分けは将来へのポテンシャルに僅かでも光を注いだことになる。

そして、迎えた2戦目。同じくQLD州のBrisbaneのSuncorp Stadiumで行われ、前半34分の追加点でサッカルーズは2-1でリード。しかし、前半終了間際のペナルティキック、そして後半に2点を追加され、4-2でオーストラリア代表は敗れた。地力に勝るブラジル代表が王国の維持を見せつけた結果だった。
 

◆写真で振り返る『オーストラリアvsブラジル』

『オーストラリアvsブラジル』の第2戦目の模様をカメラマンの菅井駿生氏の写真で振り返る。

写真:菅井 駿生/Shunki Sugai

オーストラリア・ゴールドコースト在住のメディアコーディネーター。スポーツからエンターテイメント、ドキュメンタリー番組をオーストラリアに留まらず、オセアニア全般で手掛ける。また自身もカメラを持ち、コーディネーターといった枠から飛び出してスチールや動画の撮影を行い、多方面に活きた情報を発信している。

【Instagram】 www.instagram.com/shunki_the_hatboy/

 

■2試合で約7万8,000人の観客が沸いた!

1試合目のTownsvilleでは、あの“カナリア”のユニフォームを纏ったが、Brisbaneのファンの前ではアウェイのユニフォームでピッチに現れたブラジル代表。Vinicius Júnior(レアル・マドリード)やRaphinha(FCバルセロナ)、Bruno Guimarães(アーセナルFC)によって“これぞブラジル・サッカー”が披露された!


 

■Jリーグで活躍するオーストラリア人選手たち

サッカルーズには日本のJリーグで活躍するオージーもいる。今回代表に選出されたのは、セレッソ大阪のJackson Irvine、FC町田ゼルビアのTete Yengi、アルビレックス新潟のJason Geria、ガンバ大阪のEli Adamsの5選手だった。

■日本人審判団

今回の審判は、2試合とも日本人審判団が担当した。第2戦の主審は北中米共催ワールドカップも担当した荒木友輔氏、副審は渡辺康太氏と安藤康平氏、第4審判員は第1戦で笛を吹いた谷本涼氏が務めた。


 


【文】 今城康雄(いまなりやすお)。パースの日本語メディア「The Perth Express」の代表兼、編集長。オーストラリアのサッカープロリーグ、Aリーグの開幕以来(2005年)、リーグ公認のメディアとなっている「The Perth Express」のジャーナリストとして、特にパースに拠点を置くパースグローリーの試合は記者席より取材をする。加えて、男女問わずオーストラリア代表戦の取材も重ねてきた。また2020年は、パースグローリー日本地区担当マネージャー兼通訳として太田宏介氏をサポート(関連記事はこちら)。2022年にはWA州のNPLで活躍した今田海斗氏の通訳も行う(関連記事はこちら)。


 

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