月刊誌『パースエクスプレス』では毎月特集を企画し、紹介しています。ここでは、パースエクスプレス・マガジン2018年4月号特集で掲載した『しかく、四角?!パースのスクエア Square in Perth』についてお届けします。
今号特集は、パースの”スクエア”をお届けします。「と言われても、”スクエア”とは何?」と思われている人も多いはず。”スクエア”は、もちろん外来語なので、Squareの意味を探してみました。Goo辞書の英和辞書で調べると、
①『正方形、真四角、四角い物』といった意味が出てきます。こちらは皆さん、お馴染みでしょうが、実はこんな意味も。
②『(市街地の四角い)広場、広場を囲む建物群、(町名などに用いて)…スクエア、(四方を街路に囲まれた)街区,一区画』といった意味も!
そこで、今号はパース市街地周辺にある②の”スクエア”を一挙紹介します。ただ、街路に囲まれた区画と言っても広~いので、広角写真でお届けします!普通角写真に比べて、広い範囲が写り込んでいる広角写真も是非お楽しみください!
情報参照元:Metropolitan Redevelopment Authority (MRA) :www.mra.wa.gov.au
<目次>【特集】しかく、四角?!パースのスクエア Square in Perth
01:今が熱い!Yagan Square
立案から施工、完成まで10年以上をかけて造られたパースの“新しい顔”として期待がかかるスクエア。2018年3月3日の西豪州Mark McGowan首相のテープカットで、100年ぶりにNorthbridgeとPerthが地繋ぎとなった。
A:Name of Yagan Square
その昔、現在のスクエアの場所はオーストラリアの先住民、ヌーンガー族にとって大切なエリアで、特に女性にとっては湖から食べ物を調達するエリアとして重要な場所だった。そのヌーンガー族のリーダーで、英雄として称えられている人物、Yaganの名前をとって命名された。
Central Perth Redevelopment Areaにおける「Perth City Link」プロジェクトの一環でつくられた「Yagan Square」。
B:Digital Canopies
デジタル・キャノピーは、かつてこの地にあった湖をイメージして、大空に張り巡らされた屋根のオブジェ。
オブジェ自体がキャンバスとなり、西オーストラリア州発信のアートなコンテンツが、動画やゲームなどを通して映像として映し出される。
C:The Lawn
7つのスペースで各種イベントが行われる。The Lawnは芝生が敷き詰められたオープンスペースで、その他に「The Meeting Place」「Market Hall Plaza」「William Street Mall」「Horseshoe Lane」「Events at The Rooftop」「Events at Lot 10 South」があり年間を通してイベントが開催されている。
7つのイベントが行われるスペースの一つの「The Meeting Place」。2階に位置する。創造的な空間がエンターテイメントに花を添える。
D:Aboriginal Culture
Whadjuk(オーストラリア先住民のアボリジニのパース周辺を指す言葉)の人々から伝え受け継がれているヌーンガー族の英雄Yaganの名が付けられたここスクエアだが、設計の段階からWhadjukの人々などとアボリジナル・カルチャーを継承、融合できるようなデザインを試み、実現している。
その昔、スクエアの場所に自生していたPlantationをイメージしてデザインされた「Yagan Square」。オブジェも各所に配置されている。
E:Waterline & Playscape
3階エリアの「Waterline」には水が流れる風景がある。そして「Playscape」は、このスクエアをデザインされる際の大テーマ“Plantation”に沿って造られたプレイグランド。
「Playscape」横の3階エリアから望むパースシティの景観は、今までになかったパースの一面を見ることができる。
1階の「The Lawn」と「The Market Hall」の建物の間にも水の景色があり、子どもたちが遊ぶこともできる。
大空の下に贅沢なスペースを使って作られた、無邪気な笑顔があふれるスペース「Playscape」。
F:The Market Hall
ここスクエアのハイライトの一つ、「The Market Hall」。待ち合わせの時間にカフェ、一息のランチ、お土産の一品、仕事終わりの一杯、お腹いっぱいの夕食など、全てが揃う。
屋外のオープンスペースなどでは食べ物や飲み物を自分で持ち込むこともできるが、「The Market Hall」を含む「The Central Seating Area」での酒類の持ち込みは禁止。
「The Market Hall」の営業時間は、日~水曜日は11am~8pm、木~土曜日は11am~10pm。「Yagan Square」内は、無料Wi-Fiエリアとなっている。
G:Digital Tower
政府管轄の大規模プロジェクトでつくられたスクエアの中にて、こちらも見所の一つとなるデジタル・タワーがあり、湖の周りに自生していたイグサをいイメージし、14本の支柱は異なる言語をもつ14のヌーンガー族を意味している。
「Digital Tower」にはスクエア内で行われているイベントがライブ配信にて映し出されたりする。
「Perth City Link」プロジェクトの全予算13億6,000万ドルで、このスクエア総施工費用はその一部の7,350万ドルだった。
西豪州政府管轄のMetropolitan Redevelopment Authority (MRA) 主導の下、パース出身の建築家Lyons Architectsが中心となり、18もの建設会社やスペシャリストたちによってつくられた「Yagan Square」。
H:William Street Mall
NorthbridgeとPerthをつなぐ歩行者専用道路。両エリアへの移動が以前に比べ格段とスムーズに行なえ、相互への好影響をもたらすことが期待される。自転車での通行は、乗らずに押しながら通ることが望ましい。
パースの都市開発プロジェクトの一つ、「Perth City Link」によってNothbridgeとPerthが約100年ぶりつながった。
I:Perth Busport
公共交通のアクセス・ポイントとしても利用できるスクエアだが、Perth Busportだけではなく、Perth Train Stationにもリンクしている。ヌーンガー族の人たちが“人と会う場所”と位置づけていたことにも合致する。
「The Market Hall」を横に見ながら「Horseshoe Bridge」の方へ進むと、突き当たりにPerth Train Stationの改札口が見えてくる。
西のPerth Busportと東のPerth Train Stationが、バスと電車の乗り継ぎターミナル的な存在のスクエアを挟むように隣接する。
■住所:Corner Wellington and William Sts, Perth
■ロケーション:北はRoe Streetで南はWellington Street、東にHorseshoe Bridgeで西にWilliam Street Mallに囲まれた区画。
■行き方:Perth BusportとPerth Train Stationに隣接し、Perth Underground Stationへは至近。また、「Blue CAT」バスのバス停「Horseshoe Bridge(バス停番号13)」や「Yellow CAT」バスのバス停「Yagan Square(バス停番号24)」、同じく「Red CAT」バスと「Yellow CAT」バスのバス停「Perth Station(バス停番号24と25)からも徒歩すぐ。自転車でのアクセスの場合、自転車置き場もあり。
02:二番煎じは御免!Kings Square
2011年から取り壊されたPerth Entertainment Centreの跡地に作られたスクエア。「Perth City Link」プロジェクトの一環でつくられたこのエリアには、オフィスビルにアパートメント、飲食店、そして至るところにパブリック・アートが配置されている。
シドニー出身の国際的アーティストWarren Langleyによって作られたオブジェ「Connectus」。日中は黄色に発色するが光の加減で変色する。
どこもスタイリッシュにデザインされたカフェやレスラン、バーやラーメン店がパブイリック・アートに囲まれながら営業している。
スクエア内の「Wellington Gardens」を横切るようにアボリジニのアーティスト、Rod Garlettらが作った銅像「Koorden」が並ぶ。
スクエア内にはKS1~4までの4つのビルが建設され、Wellington Streetにはそのモダンなビルがパース市街地のビル郡に対峙する。
■住所:560 Wellington Street, Perth
■ロケーション:北はNorthbridgeエリアで南はWellington Street、西はPerth Arenaで東はYagan Squareに囲まれた区画。
■行き方:隣接するPerth Busportからバス、または「Yellow CAT」バスで目の前のバス停「Perth Arena(バス停番号16、13)」、もしくは電車を利用し、Perth Train Stationから徒歩約3分。
03:発展するパースのハブ Barrack Square
Swan川に面したこのスクエアは、各観光名所行きのフェリー桟橋として、またパースのランドマークの一つ「The Bell Tower」があることでも知られている。そして、近年周辺は開発プロジェクトの一環として建設風景が目につく。
開拓から200周年を記念して1988年にロンドンの教会から寄贈された巨大ベルを2001年にタワーを建設と共に収容させた「The Bell Tower」。
隣接する「Elizabeth Quay」の開発プロジェクトでこのスクエアの周辺にも一般住宅やホテル、商業施設で使われる高層ビルが建設中。
観光名所のフリーマントルやロットネスト島、スワンバレーへのフェリー桟橋として、またカフェやバーなども併設されている。
交通の拠点ともなるため一息つける緑のスペースがあり、またそこからのビューはパースのビル群を一望できる絶好のロケーション。
■住所:Barrack Square, Perth
■ロケーション:北はBarrack Streetの最南端で西はElizabeth Quay、南と東はSwan川に面した区画。
■行き方:「Blue CAT」バスが、スクエア内のバス停「Barrack Square(バス停番号2)」で停まる。
04:歴史情緒漂う Victoria Square
「St Mary’s Cathedral Perth」を中心に教会関連の多くの歴史建造物、そして病院や学校が周りを囲むエリア。
パース市街地では最大級の国立総合病院「Royal Perth Hospital」。緊急時における24時間受付が可能な病院でもある。
1844年に建てられた西豪州最古のローマ・カトリック教会として、建物は歴史遺産にも登録されている「St John’s Pro-Cathedral」。
■住所:Victoria Avenue, Perth
■ロケーション:北はWellington Streetで南はHay Street、西はIrwin Streetで東はHill Streetのブロック内の一画。
■行き方:スクエア内に「Red CAT」バスのバス停「Royal Perth Hospital(バス停番号26)」と「Mercedes College(バス停番号27)」がある。
05:装いも新たに登場 Allendale Square
2017年5月、スクエア内に建つオフィスビルのエントランスや店舗が揃う地下の空間が生まれ変わった。
地下には、アジアからヨーロッパまでの様々な食事が楽しめ、カフェやベーカリー、ビューティーからネールサロンまで揃う。
最先端の技術とデザインで数々の賞を受賞し、1976年に建てられたこのオフィスビルは当時、パースで最も高い建造物だった。
■住所:Victoria Avenue, Perth
■ロケーション:北はWellington Streetで南はHay Street、西はIrwin Streetで東はHill Streetのブロック内の一画。
■行き方:スクエア内に「Red CAT」バスのバス停「Royal Perth Hospital(バス停番号26)」と「Mercedes College(バス停番号27)」がある。
06:シナジーで再注目 Westralia Square
2012年、隣に建てられた通称「BHP Tower」で相乗効果を生み、活性されたエリアとして今後も注目される。
「Elizabeth Quay Bus Station」に直結し、そのBus Stationが「Perth Convention Exhibition Centre」にも連結している。
隣接する「Brookfield Place」や「Westralia Plaza」にはモダンなレストランやバー、カフェ、フォードコートが充実し、お洒落な時間が楽しめる。
■住所:141 St Georges Terrace, Perth
■ロケーション:北はSt Georges Terraceで南はMounts Bay Road、西はMill Streetで東はWilliam Streetのブロック内の一画。
■行き方:Perth Train Stationから徒歩約10分。「Red CAT」バスのバス停「Central Park(バス停番号12)」から徒歩約5分。
07:パースの役者が揃う Cathedral Square
教会や図書館、タウンホールにホテル、オフィスビルが立ち並ぶパース市街地の中心に位置するエリア。
モダンな外装で目を引くパース市立図書館は、2016年3月にリニューアル。書籍以外にも多くのマルチメディアソースが揃う。
1888年に完成をみた、スクエアの中心に位置する「St George’s Cathedral」と2011年に設置された壮大なオブジェ「Ascalon」。
■住所:Corner Cathedral Avenue and St Georges Terrace, Perth
■ロケーション:北はHay Streetで南はSt Georges Terrace、西はBarrack Streetで東はPier Streetに囲まれた区画。
■行き方:「Red CAT」バスのバス停「Town Hall(バス停番号8)」下車、目の前。
08:シティで安らぎを Wellington Square
19世紀中期、英国大統領Wellington公爵の名誉にあやかり名付けられた。1830年代は馬の調教場所、1898年にクリケットグランドが設けられ、現在ではクリケット以外のスポーツでも多くの人がここで汗を流す。
■住所:Wellington Street, East Perth
■ロケーション:北はWittenoom Streetで南はWellington Street、西はHill Streetで東はBennett Streetniに囲まれた区画。
■行き方:「Yellow CAT」バスが、スクエアの目の前のバス停「Wellington Square(バス停番号24)」で停まる。
09:隠れ家的憩い空間 Weld Square
半面バスケットコートや備え付けの卓球台、BBQ台にエクササイズ器具、子ども用のプレイグランドと設備は充実。レストランが立ち並ぶNorthbridgeエリアにも徒歩圏内で、オフィスや一般住居圏にも隣接している。
■住所:Newcastle Street, Perth
■ロケーション:北はParry Streetで南はNewcastle Street、西はBeaufort Streetで東はStirling Streetに囲まれた区画。
■行き方:パース駅からは徒歩で約10分、また「Blue CAT」バスのバス停「Art Centre(バス停番号6)」で下車し、そこから徒歩約3分。
10:シティ・ビューが一望 Birdwood Square
Highgateエリアに隣接するこのスクエアでは、週末はサッカーボールを追いかける姿があり、平日の日中はHighgate Primary Schoolの生徒たちが校庭代わりに使っている光景がほほえましい。
■住所:301 Beaufort Street, Perth
■ロケーション:北はBulwer Streetで南はBrisbane Street、西はBaker Avenueで東はBeaufort Streetに囲まれた区画。
■行き方:Perth Train Station前のWellington Street沿いのバス停から66、67、68、950番のいずれかのバスに乗り、Birdwood Square目の前のバス停「Beaufort St After Brisbane St」で下車。
パースに点在するスクエア Square’s Map
パースの市街地に点在する各スクエアへは、公共交通でもアクセルできる。ぜひ、この機会に「食べる+飲む」「買う」「見る」「遊ぶ」をそれぞれのスクエアで楽しんでみて下さい!
いかがだったでしょうか?パース市街地周辺にある”スクエア”を紹介しました。是非、本特集を参考に、訪れてみてはいかがでしょうか?