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特集:くらし

【パースエクスプレス・マガジン】21st Anniversary パースエクスプレス・マガジン創刊21周年記念号「パースとの激変」


 

まず、ご挨拶させて頂きます。本誌「パースエクスプレス」は、創刊21周年を迎えることができました。今までご愛読頂いた読者の皆様、支援して頂いたスポンサー各社様にこの場を借り、お礼申し上げます。
 
さて、オーストラリアでは飲酒や喫煙、選挙やギャンブル、親の同意なくして結婚ができるのが18歳となっていますが、日本ではそれぞれ同様に法的に認められ、成人として社会への仲間入りを果たすのが20歳となっています。しかし、オーストラリアにおいて18歳の節目よりも21歳の節目の方がより大きく、21歳の誕生日は盛大にお祝いする風習があります。
 
理由は、中世ヨーロッパの騎士道を重んじていた時代まで遡ることになります。騎士道では、7歳から小姓として初歩的な技術を学び、14歳から従騎士となって武術を更に磨き、21歳で騎士に叙任されます。よって21歳で、一人前の騎士つまり成人とみなされていましたが、その騎士道の名残で21歳を大きな節目としているようです。
 
法的にもニューサウスウェールズ州は1905年、西オーストラリア州は1970年、南オーストラリア州は1971年、タスマニア州とクイーンズランド州は1974年まで、21歳が法的な成人年齢とされていました。
 
そこで、21歳は未成年から成人への“変化”ととらえ、その大きな変化、つまり『激変』を通り過ぎてきたパースの人たちを今特集では紹介し、読者にもその激変を感じて頂いて、今特集が読者皆さんのインフルエンサーになれればと思います。パースと共に歩んできた本誌21年間。そして、22年目はパースとの変化、更には今号のように“激変”を提供していければと思っています。
 
 

パースエクスプレス・マガジンのバックナンバーVol.241(2018年2月号)からVol.252(2019年1月号)を見る
 

パースエクスプレス創刊21周年記念号にあたり
オーストラリアでは“21歳”は非常に大きな節目であり、成人への第一歩の年となります。この“激変”を今記念号のタイトルとさせて頂きましたが、情報のデジタル化によって時代の流れは急速に加速し、激変が生じている昨今、21年間パースと共に歩んできました本誌もその時期が来ていると感じております。今後も引き続き読者やスポンサーの皆様へ“変化”をお届できるよう尽力する所存です。最後にこの場を借り、創刊号から現在まで多くの編集、デザイン、営業、ウェブサイト運営スタッフが本誌制作に力を注いでくれました。心から感謝の意を表します。    
発行人/編集長 今城 康雄

 
 

パースの人たちに聞きました。

 
今号「21st ANNIVERSARY パースエクスプレス創刊21周年記念号 パースとの激変」では、21歳という節目の“変化”をどのように直面し、通り抜け、そして今だからこそその時をどう振り返って見れるのか、パースの人たちに聞いてみました。
 

パースの人たちに聞いた質問事項は以下の4つです。

Q1 21歳の時、何をしていましたか?
Q2 当時の目標は何でしたか?
Q3 その目標は達成しましたか?
Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

ぜひ、“変化”を感じ、今後皆さんにとっての化学反応のヒントにして頂ければと思います。

 
 
21歳で今の夫と出会い、オーストラリアに移住。

Feve Bennett(フィーブ ベネット)さん / インフォメーションアドバイザー
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「イギリスで仕事をしていましたが、旅先のスペインで今の夫と出会いました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「スペインで出会ったその夫とそのままオーストラリアに来て、移り住んでいましたが、そのときの目標は生まれ故郷のイギリスへ旅行に行くことでしたね」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「若かったのでお金を貯めるのには苦労して、その後に家族も増え、なかなか達成しませんでしたが、今では何とか“イエス”だと思います」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「21歳で直ぐに夫と出会い、それからはずっと一緒にいますので、できれば“ひとりでいろいろな経験をしなさい”とアドバイスしたいですね。実際、もっと自立した生活を送ってもみたかったんです。でも、ないものねだりかもしれません。今は子どもたちや孫に囲まれた幸せな生活を送っています。それも夫がいなかったらできなかったことですもんね」
 

 
 
ドイツで演劇を学び、そして演劇監督になった。

Stephan Rottkamp(ステファン ロットカム)さん / 演劇監督
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「ドイツの大学で演劇学を学んでいました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「演劇学を学んでもそれでは仕事につながらないので、演劇学の勉強は止めて、演劇の監督を目指していました」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「はい、今はその目標だった演劇の監督としてドイツで働いています。今日は、オーストラリア旅行の最終日で、数日前にシドニーからパースに移ってきましたが、やはり仕事柄、パース滞在中でも演劇や映画を多く観ました」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「幸せな毎日を送って、幸運を掴み取れ!と言いたいです」
 

 
 
世界中を旅して、今こうしてパースにいる。

Lindsay Konschuh(リンジー コンシュー)さん / 視覚療法士
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「旅行が趣味だったので、よく旅に出かけていました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「とにかくいろんな場所に旅行で行きたかったので、それが目標でした」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「ええ、そうだと思います。私はカナダ生まれですが、今こうして地球の反対側のパースにいるということは目標が達成できたんじゃないかなと思います」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「旅行が好きで様々な場所を訪れたけれど、それでももっと世界を見なさい、と言いたいですね。それぞれの旅先で見て・聞いて・感じたことをもっと深く考えるべきよ、とも。そして、人生を楽しんで、とも伝えたいですね」
 

 
 
両親からもらった木製の鍵は今でも大事に持っている。

Terry Limaller(テリー・リマラー)さん / リタイアメント
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「21歳の誕生日は、今でもあるHayストリートの“The Grosvenor Hotel”でパーティーでした。その時、父と母から木製の鍵をもらい、今でも持っています」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「パース生まれのパース育ちで、1946年生まれの73歳ですが、21歳の時はベトナム戦争真っ只中で、いろいろな意味で世界は混乱していました。そういった背景もあって、一日一日を大切に、人生を楽しむ、それしかなかったです」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「そうですね、できているから今の自分がいるんでしょう」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「自分が子どもの時、父親の髭をよく剃らされました。剃り終わり、剃った父親の顔を見ながら毎回、自分も将来はこうなるんだろうなと思っていました。21歳の自分にも改めて、年を重ねるとお前も親父のようになるんだぞと伝えたいですね。父親のように経験豊富な人生を歩め、と」
 

 
 
世界ナンバーワンのプログラマーを目指す。

Adam O’Grady(アダム オーグレディー)さん / プログラマー
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「自分の誕生日のお祝いに彼女とメルボルンに行って、友達とパーティに参加しました。その年は大学を中退し、フルタイムの仕事を始めました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「世界でNo1のプログラマーになること、それが目標でした」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「う~ん、その方向に進んでいると思います。グッドなプログラマーだけど、ベストにはまだ至っていないですね」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「自分の目標に到達できないと感じる時があると思うけど、人生はまだまだ長いしチャンスだっていくらでもある、ということを伝えたいですね」
 

 
 
アーティストとして成功することを考えていた。

Richard Gunning(リチャード ガニング)さん / アーティスト兼政府関係職員
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「街中のスタジオで絵を描く仕事をしていました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「絵画のアーティストになることでした」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「はい、達成している思います。政府関係の仕事をしながら、アーティストとして作品を残し、個展も開いています」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「そうですね、そんなに未来のことを心配しなくていいよと伝えたいですね。全て上手くいくというわけじゃないけど、心配せずにリラックスして自分の思うように生きるのが良い、と言いたいですね」
 

 
 
常に前を向き、銀行マンとして35年間勤め上げた。

Jean Castagnette(ジーン カスタンニェッテ)さん / 運送業配達員
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「生まれ故郷のモーリシャス共和国で銀行員として勤務していました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「良い仕事をして、業績を上げ、昇格することが目標でした」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「20歳から働き始めた銀行の仕事を35年間、続けることができました。その上、支店長の役職にも就くことができましたので達成できたんでしょうね。約8年前にその銀行の仕事を退職し、子どもが住んでいたこのパースに自分も移住しました。今は家族と一緒に生活ができてとても幸せです」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「前進する生活を送りなさいと伝えたいですね。あとは美人の嫁さんを探せ、ですかね(笑)。」
 

 
 
将来の自分のためになることは何でもした。

Shelley Petruzio(シェリー ペトリィズィオ)さん / 福祉関係職員
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「学生をしながら、カジュアルでオフィスワーカーとして仕事もしていました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「ちゃんと学校を卒業して、希望する職種の仕事に就くことが目標でしたね」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「そうですね、就職という点では何度も目標は達成しました」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「自分の将来のためになること、そしてそのための機会をたくさん作り、自分が良いと思うことはどんなことでも挑戦しなさい、と言うでしょうね。勉強でも仕事でも旅行でも。21歳という年齢はたくさんの時間があるんだし、その時の経験は必ず後で自分にちゃんと返ってくるから、ということも伝えたいですね」
 

 
 
故郷エジプトを離れ、家族でパースに来た。

Adle Apdu(アドゥル アプドゥ)さん / リタイアメント
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「エジプトの大学で会計学の勉強をしていました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「とにかく会計の勉強を続けることでしたね」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「26歳まで続けていた会計の勉強を止め、電気関係の会社で働き始めました。そういう意味では進路変更をしているので達成していないのかもしれませんね」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「とても幸せな生活を送っていたので、特に言うことはありませんね。ただ、約40年後、宗教を発端としたトラブルで家や車が焼かれ、家族共々オーストラリアに移住することになるということは、当時の自分にはまだ伝えたくないですね。しかし、オーストラリアは本当に素晴らしい。宗教などによるしがらみがなく、自由ですし、美しい環境が広がり、私は幸せを感じています」
 

 
 
お金は大事。だから早く仕事に就きたかった。

Tash Machleod(タッシュ マクロード)さん / ITサービス業事務員
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「ニュージーランドで仕事を探していました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「とにかく早くちゃんとした仕事を見つけて、お金を稼ぐことが目標でした」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「そうね、仕事も見つかっているし、目標は達成できたと思いますよ。生まれ故郷のニュージーランドでは、経済状況があまり良くなかったので、望んだ仕事に就ける機会が非常に少なかったんです。だからオーストラリアに移住しましたが、現在の自分の暮らしには満足しています」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「ちゃんと貯金しておきなさい!この一言につきます(笑)。やっぱり若い時は、あればあるだけお金は使っちゃうから」
 

 
 
15歳の時から家業の手伝いが始まった。

Stephen Pearlman(スティーブン ピアマン)さん / 運送自営業者
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「家族が経営していた服飾の卸売の仕事をしていました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「人生を楽しむ、それが目標でしたね」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「15歳の時、家業の仕事を手伝うために学校を辞めて、毎日が仕事の日々でした。21歳の頃もその仕事をしていて大変でしたが、それなりに毎日を楽しんでいたので達成できたんだと思いますよ」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「もっと勉強をしなさい、と言いたいです。でも、家の都合でできなかった当時の自分には、そのままでもいいよ、とも言ってあげたいですね」
 

 
 
働く事と休む事のバランスが大切だと知った。

Linda Dartoney(リンダ ダートニー)さん / カスタマーサービス業事務員
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「すでに結婚して、会社勤務していました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「昔のことだから覚えてないけど、良く働いてたから、もっと自分に休みを与えることが目標だったんじゃないかな」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「その目標なら答えは、イエスです(笑)」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「リラックスして生きなさい、かな。すでに結婚して就職していたので、とにかく当時は働くしかなかったから。だから、ちゃんとリラックスした日常を過ごしてほしい、と伝えたいですね」
 

 
 
現在継続中の夢は100歳まで生きること。

David Murray(デイビッド マレー)さん / パフォーマー(芸名:Neemoo)
 

 Q1 21歳の時、何をしていましたか?

「イギリスのプロサーカス団に入り、空中ブランコのパフォーマーとして生計を立てていましたが、それだけでは厳しかったので、パートタイムで運送の仕事をするためにトラックドライバーのライセンスを取得していました」
 

 Q2 当時の目標は何でしたか?

「そのときの目標というか夢は、100歳まで生きることかなぁ(笑)。長寿の国の日本人のようにね」
 

 Q3 その目標は達成しましたか?

「今まだ57歳だから継続中ですね(笑)。そして、今はこの格好でパースやフリーマントルの街中で路上パフォーマンスをしています。100歳までパフォーマンスかあ、道のりが長いな…」
 

 Q4 今のあなたが21歳の自分にアドバイスするとしたら何を伝えますか?

「そのまま思うがままに生きろ、と伝えたいです」
 
 


 

いかがだったでしょうか。今回は「21歳」というテーマで行なったインタビューでしたが、インタビューにお応え頂いた多くの方は21歳という歳を「節目」や「変化のきっかけ」の年にされていたようです。21歳の誕生日には、両親から鍵が贈られるといったならわしがあります。その鍵の意味するところは、大人への扉の鍵だそうです。本誌パースエクスプレスも丸21年を迎え、大人への鍵を手に入れました。その鍵で新しい扉を開き、節目とともに変化をもたらせればと思っています。その変化を是非、読者の皆様、そしてこれからもサポートして頂けるスポンサー各社様とシェアできたらと思っています。
 

2019年は本誌パースエクスプレスの“変化”、ゆくゆくは“激変(2019年創刊記念号タイトル)”までを是非お楽しみ頂き、共有させて頂ければと思います。宜しくお願い致します。
パースエクスプレス編集部一同







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