
Aリーグ2025-26年シーズンが昨年10月に開幕して、年がまたがり、折り返し地点も過ぎた。昨シーズンはパースに本拠地を置くパース・グローリーには日本人男子3選手、青山景昌(自身のInstagramで引退発表)、岡本拓也(Jリーグ・大分トリニータ所属)、三竿雄斗(Jリーグ・大分トリニータ所属)、日本人女子選手の須永未来(NSW州NPL1 Gladesville Ravens所属)の計4選手が在籍していたが、今シーズンは日本人選手は一人もいない。
Aリーグを知る記者の視点から更に詳しくパース・グローリーの選手紹介や試合結果についてお届けしている。
2005年に開幕したAリーグは、昨シーズンで20シーズン目となり、オーストラリア国内のサッカーレベルの向上を目的としたリーグ2部制の試行も昨年、始動した(2部制に関する関連記事)。また、今年はW杯イヤーということもあり、Aリーグは例年以上に盛り上がっているべきである。
ただ、参加13チームが、今シーズンから12チームになった。メルボルンに本拠地を置くWestern Unitedが、財政危機により事実上の経営破綻で、今シーズンからリーグに参加ができなくなったからだ。また、そのWestern Unitedに在籍していた日本人選手の檀崎竜孔は、試合中に故意にイエローカードやレッドカードを受け取り、オンライン賭博の結果を操作した罪に問われ、オーストラリア・サッカー連盟から昨年12月19日、7年間の資格停止処分を受けた。檀崎の弁護人は「Western Unitedは財政難にあり、選手への給与支払いが遅れていた」と犯行理由を説明している。
そのような影を落とすようなニュースがある一方、Aリーグ開幕から20年の月日が流れ、昨今日本でプレーしている日本人選手の海外挑戦に「Aリーグ」が選択肢として入ってくるようになった。その昔、元日本代表経験のある選手でいえば三浦知良(シドニーFC/2005)、小野伸二(ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ/2012-14)、本田圭佑(メルボルン・ビクトリー/2018-2019)、高萩洋次郎(ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ/2015)、工藤壮人(ブリスベン・ロアー/2020-21)、太田宏介(パース・グローリー/2021-22)や齋藤学(ニューカッスル・ジェッツ/2023)がAリーグでプレーし、実際に今シーズンは酒井宏樹(オークランドFC/2024-現在)、長澤和輝(ウェリントン・フェニックス/2024-現在)、水沼宏太(ニューカッスル・ジェッツ/2025-現在)というハイ・プロファイルの選手が戦う場所として「Aリーグ」を選んでいる。
また、多くの若手選手もプレー機会を求めてオーストラリアへ渡っている。Aリーグの下部組織となるNPL(National Premier League)でプレーして、Aリーグへの昇格を狙っているプレーヤーも近年急増している。そして、Aリーグ側も日本人選手獲得に大きなメリットを感じていることは確かである。財政的にも決して豊かではなく、平均集客人数も6,000人程度の小・中堅クラブのパース・グローリーですら、昨シーズンは4選手も日本人が在籍していたのだから。
ちなみに、パース・グローリーに限っていえば、過去に在籍した日本人選手は前記の青山景昌、岡本拓也、三竿雄斗、太田宏介以外にも石田博之(2005-2006)、永井龍(2012-2014)、塚本愛樹(2023-24)がいた。
さて、日本人選手とAリーグの相互効果は、オーストラリアのサッカーにとってもメリットしかない。その潮流を前記の「賭博詐欺」や「財政破綻」といった日豪の両方向からせき止めるようなことは避けなければならない。将来の希望の光を消すことになりかねる。日本人選手の試合出場の場としてのオーストラリア、技術向上の日本人選手受け入れはこれからもさらに展開することを切に祈る。
岡本拓也と三竿雄斗は半シーズンのみ在籍だったが、確実にジャパン・オリティをオーストラリアのファンに見せた。写真は昨シーズン(2024-25)終了後の年間MGP(クラブ内各種受賞式/2025年5月5日)にて。


今後の展望について「まだまだ成長できているので日々頑張っていきたい。パースの印象は街も人たちも素晴らしいですね」と話した三竿。


「初めての海外で難しいこともあったけど、その難しさを求めて来て、本当に充実した時間を過ごせたと思っています。」と語った岡本。
Aリーグで活躍した元日本代表の日本人選手たち。
2005年11月19日のシドニーFC対パース・グローリーの試合後の記者会見の模様(詳細はこちら)。

2012年11月18日のパース・グローリー戦を前にインタビューに応える小野氏(詳細はこちら)。

2019年3月30日、本田氏在籍のメルボルン・ビクトリー対パース・グローリーの試合観戦チケットプレゼントを実施(詳細はこちら)。

2015年3月28日のパース・グローリー戦後、パースエクスプレスのインタビューに応える高萩氏(詳細はこちら)。

2020年12月に移籍を発表して2022シーズンまでパース・グリーに在籍していた太田氏をパースエクスプレスは毎試合追った(詳細はこちら)。

2023年2月4日、対パース・グローリー戦で出場することはなかったが、試合後インタビューに応える斎藤選手。

2025年1月11日のパース・グローリー戦後、パースエクスプレスのインタビューに応える酒井選手(詳細はこちら)。

2026年10月18日のパース・グローリー戦後、パースエクスプレスのインタビューに応える長澤選手(写真右/写真左は石毛秀樹選手)。

パースエクスプレスでも紹介し続けたパース・グローリーに在籍していた日本人選手たち。
日本人最初のAリーガーとしてパースエクスプレスでは石田氏の連載記事を掲載していた(詳細はこちら)。

パースエクスプレスでは「パースグローリー8 永井 龍 独占レポート」を毎月連載していた(詳細はこちら)。

コロナ禍の厳しい期間もチームに帯同し主力として活躍した模様をパースエクスプレスでは試合ごとに追った(詳細はこちら)。

パース・グローリーのジュニア世代からU23と長期間在籍後、2023-24シーズンではトップチームのベンチ入りを果たす。シーズン終了後の年間MGP(クラブ内各種受賞式/2024年5月6日)にて。

NPLからAリーグに昇格して契約を勝ち取り、まさにサクセスストーリーのロールモデルとなった(詳細はこちら)。

NSW州のNPLリーグ最優秀選手賞を受賞後、パース・グローリー・ウィメンのユニフォームに袖を通した(詳細はこちら)

軌跡を残す活躍だったが、半年のみの在籍は周囲から惜しむ声が上がった。(詳細はこちら)

半年といった短い期間だったが、オーストラリアにて自身の価値を十分証明した。(詳細はこちら)

【文】 今城康雄(いまなりやすお)。パースの日本語メディア「The Perth Express」の代表兼、編集長。オーストラリアのサッカープロリーグ、Aリーグの開幕以来(2005年)、リーグ公認のメディアとなっている「The Perth Express」のジャーナリストとして、特にパースに拠点を置くパースグローリーの試合は記者席より取材をする。加えて、男女問わずオーストラリア代表戦の取材も重ねてきた。また2020年は、パースグローリー日本地区担当マネージャー兼通訳として太田宏介氏をサポート(関連記事はこちら)。2022年にはWA州のNPLで活躍した今田海斗氏の通訳も行う(関連記事はこちら)。
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