「ダメ、ゼッタイ」

「ダメ、ゼッタイ」という、あの子どもの時に聞いていた言葉が信じられなくなった。30代半ば女子、仕事もあって、彼氏もいて、お金もそこそこあって、人生がうまくいっているときに初めてLSDをやった。
 
ドラッグ（薬物）なんて、絶対ありえないと思っていた。でも今は、この感覚を知らないで一生を終わらせる人がいることは非常に悲しいことだと思う。勿論、ある程度のリサーチはしたし、科学データや論文なども素人なりに読んだ。御法度な上、ネガティブなイメージが先行しているせいか、日本語の資料は乏しかったが、英語の資料はゴマンとあった。ごく普通の若者のブログやYouTubeビデオから、歴史や医療関連の記事までとことん読み漁った。ドラッグに興味を持って、調べ始めてから2年以上経った。かなり慎重派だった。
 
そして、やった。自分の中で納得できたからだ。
 
別に薬物をやれと言っているわけでは決してない。違法行為である上、危険も勿論伴うし、やり方を間違えると一生台無しになる。すべては自己責任だ。とは言え、何の知識も持たない人が、「薬物は危険だからやめなさい」と言うと、正直納得がいかない。そういう人に限って、薬物の種類の区別が一切ついていないことが多い。と同時に、自分の飲んでいるアルコールがいかに悪影響を及ぼしているかもわかっていない。「違法だからやめなさい」と言う人もいるが、そういう自分も低賃金で日本人のワーキングホリデーや学生を雇ってはキャッシュで支払ったり、スピード違反などの違法行為を重ねている。私も法を犯したのは間違いない。そして、それを正当化しようとは思っていない。ただ、どうしてもあの経験を少しでも形に残したくて投稿した。
 
知人が末期ガンで亡くなる少し前に電話口でこう言っていたのを思い出す。「最高だ、信じられない」と。彼はモルヒネが投与されていたのだ。あの時の私は、「あー、薬か」程度にしか思っていなかった。今思うと、あの痛烈な痛みにずっと耐えていた彼が最後に、人生は最高だ、そう言ったのを聞けて、本当によかった。
 
そして、私もあの夜、人生で最高の経験ができて、本当によかった。
 

＜投稿者＞30代女子　30歳代　女性

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