オーストラリアと日本をつなぐリンク・メディア『パースエクスプレス』

第101回「仕事と仕事探し」「あの一言」「東日本大震災から7年」

月刊誌『パースエクスプレス』の人気連載コーナー。一般読者からの「主張したい」「心に秘めている」「吐露したい」投稿を連載しています。

今月号は、女性1名、男性2名からの投稿です。

 

「仕事と仕事探し」

日本で仕事をしている時、精神的に病んでしまいました。原因は分かっています。思い出したくないので、書きません。それから実家に引きこもりました。最初は「自分は病気なんだ」と思っていたので療養のつもりでゆっくりしていましたが、3か月もすると「仕事を探がさなきゃ」と思い始めました。

無職でいることが苦痛になってきて、仕事探しがずっと頭から離れませんでした。とにかく「働かなきゃ」と自分に言い聞かしていました。でも、求人情報をネットで見ていると息が詰まりそうになり、頭が真っ白になるんです。感情がコントロールできなくなってしまうんです。

精神的に病んでしまった仕事のときのことを思い出すからだと思います。母からは「急がなくていいんじゃない。心を落ち着かせることができるようになってからで。まだあなたのことぐらい、お父さんとお母さんで面倒はみれるから」と言ってくれていましたが、それがさらに私を追い詰めました。

生活のために仕事をしなければならないといった切実さがなかったので、もしかしたら甘えていたのかもしれないと思ったんです。ならば、仕事探しの前に環境を変えて、仕事が生活のためにしようと仕向けました。それで、オーストラリアに来ました。

でも、その考えは間違えていました。仕事は生活のためといった動機を作っても、仕事に向き合う気持ちがまだできていないので、仕事ができる心を作らないとダメでした。オーストラリアに来ても、シェアハウスにこもっています。

例えば、レストランのお皿洗いなら、やれば終わりがくるし、継続することもないので責任感もそこまで要らないと思っていましたが、効率よく仕事をしようとして、そして完璧にこなそうと思えば思うほど、動悸が止まらなくなるんです。完璧にこなそうと思わずに、自分のペースでやって、頑張り過ぎないようにすればいいのはわかっていたんですが、できなかったんです。

人間関係もオーストラリア人とだったら何とかなるかと思ったけど、人種が変わっても同じ人間なので、なんともなりませんでした。言葉もわからないので、もっと不安定になってしまいました。

これからどうしたらいいのかわかりません。今、日本に帰っても、同じ状況が待っています。新しい環境だからといってトライしたオーストラリアでも、何もかわりませんでした。ダメなものはダメでした。誰かアドバイスをください。

今日も空が青いです。鳥のさえずりも聞こえます。全てが健康的で羨ましいです。

<投稿者>匿名希望 28歳 女性

 


 

「あの一言」

はじめまして。初めて投稿します。

英語が得意でした。姉の影響で、小学校3年生から個人塾に通って、英語を勉強していました。当時、そんな子はいませんでした。中学に入った時、英語は校内模試で学年1位でした。英語は純粋に好きで、成績が良かったことも後押しして、英語の勉強は自ら進んでやっていました。

でも、今でも覚えています、担任のあのひ一言。「お前、英語だけできてもダメなんだぞ。満遍なく勉強できないと」
あの一言で、英語の成績は落ちていきました。しかし、他の教科の成績は上がりました。そして、県内一番の進学校に入学しました。入学当初は、先生のあの一言に感謝していました。英語が一番でも、他の教科が真ん中ぐらいだったらあの学校には入れなかったと思います。たとえ、英語が20番まで下がったとしても、他の教科が50番から20番に上がれば良いと思っていました。

高校に入り、その“満遍なく”は続けました。しかし、全教科の順位は20番が50番、50番が100番へと落ちていき、気が付けば学年で下位5%に入ってしまっていました。全部を全部、一生懸命やる能力がなかったということもありますが、何か得意なものを一つでも頑張る、ということを忘れてしまっていました。

大人になった今、好きなことだけをやっていれば良いということにはなりませんが、もし、「あの一言」がなく、進学校じゃなくても、英語が一番で他の教科が50番でも入れる学校に入っていたら、今の自分とは違った道を歩んでいたのかもしれないとつくづく思います。

昔の日本は、一芸入試なんてほんの一部にしかありませんでした。やはり、国立大学は5教科、私立は最低3教科入試でしたので、“満遍なく”は当たり前でした。しかし、時代は変わりました。

息子は、オーストラリアの学校教育で学ばせています。この間、妻から「うちの子、あんたに似て運動が全くダメだからしょうがないけど、足の速い子は特別なトレーニングプログラムで、朝練をしているのよ。うちの子はもちろん、声を掛けてもらえないんだけど、速い子はもっと速くなって、遅い子は全然速くなれないよね、あれじゃ…」と聞かされました。

少し怒り気味の妻の横で、「なるほどね、それで良いと思うよ」と小さい声で言いました。「え?あんた、今、なんて言ったの?!良いわけないわよ!うちの子、どうなっちゃうのよー!」と妻の怒りが本気になりかけたので、そそくさとその場を離れました。

<投稿者>匿名希望 42歳 男性

 


 

「東日本大震災から7年」

今日は2018年3月1日、あと10日で東日本大震災から7年が経とうとしています。皆さん、忘れていませんか?日本にいる人はそう簡単に忘れないでしょう。ただ、オーストラリアにいる人、忘れてはいませんか?

死者1万5,895人、行方不明者は2,539人。そして、7万人以上の人がまだ避難生活を送っています。原発事故に遭った福島の回復は全く目処が立っていません。

この状況はどう考えても普通ではありません。一人一人が忘れない。忘れなければ何かが形になる。そう思っています。

<投稿者>藤原 48歳 男性

 

 
 

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