オーストラリアで生活することで日本では予期しなかったケガをしたり、病気になったりすることもありますよね。もちろん、そんな時は病院に駆け込むこともあるかと思いますが、英語の診察やカウンセリングで言葉の壁を感じたことのある方も少なくないはずです。このコーナーでは、パース在住の「なやみちゃん」の病気やけがを医師の診察の前に専門家が日本語でアドバイスを行います。

私が日本語でご案内致します。 日本語医療センター/マネージャー 千綿 真美さん 〈日本語医療センター〉日本人通訳が常勤し、医師の診察を受けられる。また、海外旅行傷害保険でキャッシュレス・サービスも提供している。

なやみちゃん、今月は“どうなさいましたか？”具合が悪そうですが、お医者さんの診察の前にお話を聞きしましょう。

最近、身体がだるくて。朝の目覚めも悪く、だるさを一日中抱えてしまう時もあります。

身体のだるさには、いろいろな原因があります。かぜ等のウイルス感染や花粉症などのアレルギー、脱水、肉体的あるいは精神的ストレス、睡眠不足、うつ病、または鉄欠乏や貧血、甲状腺機能の異常など内科的疾患によるものでも起こります。

私は熱や咳、鼻水が出るといった症状はないんですが、今問題になっているコロナウィルスに感染した場合の症状も身体がだるくなりますか？

はい、なるでしょう。ただ、もし身体がだるく、発熱や咳、鼻水などの呼吸器症状が出た場合、重症でない限りまずは自宅待機し、いきなり医療機関に行かないでください。どんな医療機関で受診するのでも、まずは必ず電話をして、自身の状況を伝えて、どのようにすればいいか指示を受けて下さい。

わかりました。私の場合は、ストレスのような気がしていますが…。

それぞれの対処法がありますが、日々の過密スケジュールが原因である肉体的ストレスであれば、調整して少し休みましょう。睡眠不足の方は、もちろんまず十分に寝ることですね。精神的ストレスでは、その原因を解決しないといけませんが、それ以外にも息が切れるぐらいの運動をすることや話を聞いてもらえる人に悩みを吐き出すこと、気分転換に自分の好きなこと、やりたかったことにトライするなどしてみましょう。ただし人にも話せず、眠れなくなったり、泣いて悲観的になり過ぎるようであればうつ症状となっていることもありますので、迷わずドクターを受診して下さい。うつ症状は精神的ストレスからだけではなく、鉄不足や甲状腺疾患などの内科的問題からきていることもあります。こちらもドクターに相談をして、適切に診療してもらいましょう。

もし、ストレス以外の原因の場合は？

アレルギーであれば症状を抑える抗ヒスタミン剤などの薬を服用します。脱水の場合はだるさに加え頭痛もよく起こりますので、水分は一日、最低1.5～2リットルくらいは摂取するよう心掛けて下さい。

わかりました。今はコロナウイルスの感染に注意しなければならないので、特に症状には注意しなければなりませんね。

2020年に入り現在（3月中旬）までコロナウイルスの猛威で騒ぎになっています。まず２～３週間以内にオーストラリア国外に出ていた、あるいはコロナウイルスに感染した人と接触したなどでなければ、だるさだけでその感染を心配される必要はありません。発熱や咳、鼻水などの呼吸器症状が現れ、コロナウイルス感染のリスクがあるということでも、パニックにならず、まずは医療機関に電話をして指示を受けましょう。 （※　編集部注：3月10日より西オーストラリア州保健省の発表により『Sir Charles Gairdner Hospital』『Royal Perth Hospital』『Fiona Stanley Hospital』の3つの病院に「新型コロナウイルス専用クリニック」を設け、予約不要で直接行けば検査が受けられるようになった）

では、なやみちゃん、通訳を致しますのでお医者さんに診てもらうため、一緒に診察室へ行きましょう。