「日本国産の日本仕様限定」

あのホリエモンの「手取り14万？お前が終わってんだよ」発言は同感。スマホとかで簡単に情報が取れ、地理的距離感が縮まったんだから、やりたいことがあればトライできる時代になったのに、それを活用していないし、やっていないから“手取り14万”なんだ、と。言われたことだけやって生きていたら“手取が14万”なんだ、とその通りのことを言っていた。
 
オーストラリアで店を構えて15年になる。この間、日本人の女の子を面接して、昨日、その子にとっては最初の仕事だった。
 
まず、面接の時にやたらと“最低賃金”について聞いてくる。「いくら頂けるんですか？」と。うちは当たり前だけど法律を守っているから「最初は最低賃金からスタートして、仕事ができれば昇給」と言ったら、「仕事ができるとはどういうことですか？」と聞いてきて、その説明に1時間以上も使った。
 
実は、面接の時はそこまで“昇給”にこだわるんだったら人材不足のこのご時世、仕事ができるんだろうとすごく期待していたんだけど、昨日はお客さんから注文を取ることも不十分だった。昇給どころの話ではない。そこで、この子がいい例なんだろうけど、今まで言われたことしかやってこなかったから想定外の客が来た時に注文が取れないのは当然。ここは日本人だらけの日本ではなく、多国籍のオーストラリアということを分かっていない。
 
そして、昨日の仕事終わりに雑談しながら「日本は時給が安いけど、オーストラリアは時給が高いから良い」と言っていた。「日本で仕事をしていてもお金が貯まらないし、気持ちがめげる」とも。確か、“手取り14万”の投稿は、あるサイトに日本人女性が投稿したものらしいけど、“手取り14万”は国のせいだとも言っている。それに賛同していた人もいた。日本国内の人だと思う。
 
で、思うことなんだが、日本は優し過ぎると思う。日本は日本人が日本人のために働くような環境を作ってきた。でも、海の外では違う。例えば、オーストラリアでの時給が高いにはそれなりの理由がある。
 
オーストラリアでは基本、仕事は自分で自分の給料分を稼ぎ上げないと仕事にもありつけない。仕事ができるということは本来、そういうことでもある。こなせるのではなく、お金を生み出せるということ。給料を“頂く”のではなくて、職場を利用して自分で産んだお金を“取る”と言うこと。よって、即戦力じゃなければならないし、そのための勉強もしていなければならないし、責任も背負わないといけない。だから、時給が高い。
 
今回のその女の子は、悪い子じゃないのは分かる。でも、日本産の典型なんだろうな。あれが日本人の認識なんだと思う。日本国産の日本仕様限定モノ。海の外じゃ、限界あるな。将来が思いやられる。
 

＜投稿者＞パース在住　40歳代　男性

“あなたの言いたいことへの投稿”はこちらから