今月の人
片山 慈英士(かたやま じぇしー)さん 24歳
高校でボクシングを始めるも直ぐに頭角を現し、インターハイや国体に出場。特待生で大学に進学し、多くの部員がいる中、ボクシング部の階級代表として大学を関西1部リーグ優勝、全日本選手権や全日本大学ボクシング王座決定戦出場の原動力となった。そして、流れに逆らうことなく大学卒業後はプロボクサーの道に進むことも考えたが、「ボクシングだけの今までの人生。少し周りも見てみたいと思い、そのためには日本を出て、“世界を見てみよう”と思ったんです」と話す片山さん。“世界を見る”出発点のオーストラリアで着々と将来のセットアップをする片山さんの一日を紹介します。
<渡豪前>
今思えばボクシングを始めたきっかけは、ただ単に「カッコイイからだったと思う」と片山さん。学校に行っている以外はボクシングだけの毎日だったが、結果も伴って大学にはボクシングの特待生で入学する。大学でもバンタム級で1年生からレギュラーの座を奪い、活躍する。「自分の場合は減量がきつかったですね。試合前は毎回、10kgちかく落とさなければならなかったです。減量しながら練習して、試合では殴られて(笑)。でも、勝った時は全てが報われます」と話す片山さん(写真は大学時代の片山さん)。
<渡豪後>
10:30 am
現在、パースでボクシングとエクササイズを掛け合わせた『ボクササイズ』のトレーナとしてクラスを開講している片山さん。この日は週に1度のクラスの開講日。食事は基本、健康面を考慮して自炊。
00:00 pm
ジムに到着後、クラスがスタートするまで準備を進める。「学生の頃、ボクシングが自分に自信を付けてくれました。そのボクシングを自分なりにクラス参加者に教えたく、クラスを開いています」
1:15 pm
クラスがスタート。最初は縄跳び。そして、シャドーボクシング。「自分が大学生の時、減量には本当に手を焼きました。ボクササイズはダイエットにも非常に効果的です。ダイエット目的でも、もちろん自分のクラスに参加することはできます」
2:30 pm
日本人だけではなく、地元のオージーも参加。「参加者が楽しんでくれていると感じた時、本当にうれしいですね。クラスが終わり、“来週も来ます!”の言葉が、今の自分のモチベーションにつながっています」と語る片山さん。最後にサンドバック打ちでクラスのテンションは頂点に達する。
3:00 pm
「“世界を見たい”理由の一つに、祖父の国にも行って、この目で見てみたいという思いがあります。“プロボクサー”と“世界を見る”のどちらかを選ぶ時、どちらも今しかできないことでしたが、“世界を見る”を選んで今は後悔していません」と話す片山さんは、父方の祖父がトリニダード・トバゴ人。これから続く旅先リストの、トリニダート・トバコにだけは黄色いマーカーが入っている。
6:30 pm
クラスを終え、宿泊先のバックパッカーで、同じ宿泊客とリラックスの時間を過ごす。「今は旅をしながら“世界を見たい”と思っていますが、いろいろな国の旅先のジムを見学させてもらい、将来は自分のジムを開いて、特に子どもたちにボクシングを教えたいと思っています。ボクシングを通して人格形成の助けがしたいと思っています」と話す片山さんの1日でした。
【関連記事】
関連記事:【新型コロナウイルス関連】パースエクスプレスで紹介のあの人が時の人に!軌跡が起こった!世界遺産マチュピチュ“独り占め”