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【パースエクスプレス・マガジン】道路交通法違反などのトラブルについて


 

日本とは社会の習慣やシステムが異なり、また言葉の違うオーストラリア。そこで起こった法的トラブル。パースの弁護士事務所の弁護士やプラクティス・マネージャーが毎月、ケーススタディで問題解決のアドバイスを提供する。
 

ケーススタディ 01

道路交通法違反などのトラブルについて

 

トラブル

 
「この間、車を運転中に警察に止められて、スピード違反だと言われました。だた、どう考えても法定速度以内で運転していたので抗議をしたところ、出廷して審理することも可能だと言われました。裁判所で審理してもらうためにはどうしたらいいですか?」
 

 

パースの弁護士事務所『Equitas Lawyers』からのアドバイス

 
「もしもあなたが、法定速度オーバーと言われ、それが自分の身に覚えのないとその場で警察に抗議したとしても、自分の主張が聞き入れられる可能性は低いでしょう。通常後日、警察から罰則金支払い用紙(Traffic Infringement Notice<Individual>またはOn The Spot Notice)が届きます。そこには、支払い期日が28日以内と書かれていますが、法定速度以内の運転だったという自分の主張の詳細を書き、証拠になるものと一緒に警察に送り、異議を唱え、無実を訴えることが可能です。そして、警察がどのような証拠を持っているのか、映像や警察官のレポート等の証拠提出(A Certificate of Traffic Infringement Notices)を請求することも可能です。
 
次に、罰金支払いの28日以内を過ぎると、警察より最終支払期日の提示されたFinal Demand Noticeが送られてきますが、その最終支払期日を過ぎると、裁判所から出頭命令が届きます。本来ならばこの出頭命令が来る前の段階で、自分の権利や主張がどこまで認められるか弁護士に相談することが望ましいです。弁護士には、置かれている状況を詳しく説明し、無実を主張する場合はどのくらいの割合で自分の言い分が通るのか、もしも主張が却下された場合はどうなるのかを裁判の過程とともに理解した上で、無罪を主張することが大切となります。闇雲に無罪を主張しても、もし主張が却下された場合、払う代償が大きかったり、裁判に勝つ見込みが過去の判例から低い場合は、リスクは決して小さくないでしょう。
 
さて、無罪を主張すると決め、弁護士に依頼する場合、状況説明を基に主張が通る可能性、証拠の確認、警察の提出書類の請求と審査、裁判所へ提出する書類の提出準備、裁判での答弁、過去の判例調査と対策、当日の裁判官の裁判進行の傾向、進行や受け答えのアドバイス等が弁護士から受けられます。
 
裁判にて無罪を主張した場合、裁判の諸費用、半年から1年という期間、更には煩雑な提出書類の準備等、そして想像もしていなかった精神的な負担も待っています。ビザの期限がある方など、裁判のために戻ってこなければならない場合もあるかもしれません。航空代金等の金銭面はもとより、時間的な余裕も考えておかなければなりません。ただ、もし裁判で自分の主張が通らなかった場合、弁護士費用以外にも一般的な出費として裁判所に支払う費用、裁判の準備のために必要となる書類や証拠請求等の経費など思ってもみなかった費用が請求されます。繰り返しになりますが、きちんとした覚悟や知識がなく裁判へ行くことはお勧めしません。いずれにしても、早い時点で専門の弁護士へまずはご相談されることをお勧め致します」
 
 

私たちがお応えします。

パースの弁護士事務所『Equitas Lawyers』の弁護士や弁護士事務所プラクティス・マネージャー。

『Equitas Lawyers』
各分野の専門の弁護士が所属するパースの弁護士事務所。日本人が通訳として窓口になり、メールや電話も日本語で対応してくれる。

 

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