Toolibin湖は、Narroginの東部にあるArthur川の上流に位置する、オーストラリア最大の淡水湿地帯。多くの保護された希少な水鳥達の住みかとなっている。1890年代から1930年代にかけて行われた農業地のための開墾によって多くの湿地が塩害の被害にあったが、Toolibin湖も例外ではなかった。たくさんの木々が姿を消し、濃度の高い水では生き残ることができない水鳥達もいなくなってしまった。そこで、解決策の一つとしてToolibin湖周辺に多年生植物が植えられた。これらの植物は生物学上、ポンプの役目を果たし、その何種類かは、商業的にも利用されている。今のところ、この方法は地下水の上昇を安全なレベルまで抑えることに成功している。

オーストラリアの主要作物といえば小麦。近年、オーストラリア国内のWheatbeltと呼ばれる小麦生産地帯では、土壌が塩害の被害で生産量が激減している。自然の木や多年草と違い、小麦の根は下層土に染み込んだ雨水ではなく、地下に蓄えられた水を水分として吸収する。流動のない地下水、つまり塩濃度の高い水が主要水分となるため、小麦は生育することができなくなる。生産能力のある土地は、1ha(ヘクタール)につき約$700の価値があると言われているが、1haにつき4tもの小麦が収穫できる土地が、近年塩害の被害を受けた土地では1tすら収穫できなくなっている。


■Southcorpぶどう園では、塩害と土壌退廃を抑制するために、土地管理計画を実行している。 資料提供:ACF


■フェンスに囲まれた塩性の土地。西オーストラリアの小麦生産地帯、 Meckering 近郊。 写真:Bill Van Aken (Csiro) 資料提供:ACF


■西オーストラリアの小麦生産地帯。塩害による塩の谷が、その土地に傷跡を付ける。 写真:Bill Van Aken (Csiro) 資料提供:ACF


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