塩害は、開拓された農場だけでなく、自然保護指定区にあるブッシュ、そこに生息する生物にも影響を与える。そして、最も深刻化しているのは、湿原や川においての塩害である。 1970年代の終わりに、CALM(国土自然保護局)の局員の1人が、EneabbaとEsperanceの間にある52ヶ所の湿原で、水質と塩濃度のモニターを開始した。モニターの対象となった多くの湿原では、研究が始まった時、既に塩分が含まれていたが、自生植物が生育する湿原においては深刻な塩度の上昇は見られなかった。しかし、降雨量の少ないいくつかの湿原においては、塩濃度の上昇が見られた。その塩濃度の上昇は、枯れた木や潅木を腐敗させ、それらの木材は水鳥の餌となる水中の無脊椎動物や微藻類の棲家となっているため、オーストラリア南西部にいる一般的な61種類の水鳥のうち(塩分を好む種はわずか16種)、淡水湿原に生息していた種の50パーセントが減少してしまっている。 "コアラ"という名前はアボリジニの言葉で「水を飲まない」という意味に由来すると言われている。コアラは水を飲まず、限られた種類のユーカリの葉だけを食べる。野生のコアラ頭数を減少させる最大の脅威は、コアラの食べるユーカリの伐採による生息地の破壊だ。ヨーロッパからの入植が始まって以来、約80%のコアラの生息地が失われており、残り20%のうち、保護されている土地はごくわずか。政府によって厳重に管理されているため、現時点では絶滅の危機というわけではないが、これ以上生息地の減少が進むと、危機に陥る可能性が高い。 |
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