「『働く』ということ」

 現在のSPDCを批判する具体例は際限がない。だが、冷静に考えてみると、軍政による負の面を論うだけではビルマの現状は変わることはない。だが、どうしてもこのようなマイナス面を書かざるを得ない。それは、ビルマを訪れるたびに感じる、民政移管への可能性に絶望を感じるためだ。このフラストレーションをどこかで吐き出しておかないと気が滅入る。─ もっとも自分自身、軍政の悪口さえ言っておけば事足りる。そういうネガティブな自分のスタンスにさえも吐き気を催している。
 政治的、社会的な制限下に暮らすビルマの人々は、おのずと自分と自分の家族、限られた範囲の知人が軍政下で、いかにして生き抜くのか、その術を考え続けるのに頭がいっぱいになってくる。

 社会や「国」というものを考えるよりも、狭い範囲の身の回りの生活だけに目がいくようになっている。軍事政権が国民に対して国家への忠誠を強制するほど、その効果は逆の反応を生み出している。
 「日本はお金持ちの国だからいいよね」「ちなみに、毎月どのくらい稼いでいるの?」「日本に連れて行ってよ」「ビルマはいつまでたっても貧乏だよ。この国の発展は望めないね」。ビルマの友人から私に発せられる反応である。
 デジタルカメラを数台持ち、高い飛行機代を払って日本からビルマに来ているのだから、私がよっぽどお金持ちに見えるらしい。しかも私の仕事は、よほど実入りがいいと思われている。

 


This site is developed and maintained by The Perth Express. A.C.N. 058 608 281
Copyright (c) The Perth Express. All Reserved.