「『働く』ということ」

 国の通貨K(Kyat=チャット)を見てみよう。私が初めてビルマを訪れた1993年当時、US$1=100Kぐらいだった。現在は、US$1=1450Kを超えている。しかも公式レートはUS$1=6Kという、極端な為替の差がある。経済は破綻している。さらに、従来の計画/統制経済を捨てて市場経済に向かう、道路や橋を整備して商品物流に役立てる。軍政府はそう説明する。だが、そもそも自由な人の移動が認められていないビルマに於いて、その説明は完全に矛盾している。

 さらに、停電の発生頻度はこの15年の間、変わらない。首都ラングーン(ヤンゴン)の下町は夜になると、真っ暗だ。国際的な援助機関(国際労働機関・国際赤十字・国境なき医師団)も軍政府による自由な活動の制限から、ビルマからの撤退を計画している。
 国民に対する軍部の締め付けはこの5〜6年、さらに厳しくなっている。政治的な活動に参加することは危険なこと、というか、政治活動への参加以前に、今の政府の政策に反するような考えを持つことさえ危険なこととして考えられている。不満を感じることさえ許されないのだ。思想の自由もないし、自由な思想も抑え込まれている。

 


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