「それでどうするのか」。最優先事項を思い出すのだ。そうやって、いつも決まった質問と回答に戻っていく。見てしまったことを忘れることはもうできない。降り注ぐ星を眺めながら、まったく意味のないことを次々に思い出す。こんな時こそ、自分に正直に問えば、別の自分が返事をくれるような気がしてくる。普段なら考えるのを避けてしまう事柄をついつい振り返ってしまう。
 これから先のことを考えると不安がいっぱいだ。予期せぬことばかりである。今なら後戻りするにはまだ間に合う。引き返せるはず。さて、どうする。しかし、これは私自身への挑戦である。目の前に広がる星を前にして、ちっぽけな存在の自分にできることを考えると、やはり前に進むしかない。

   自分のできることは、清濁の入り混じったこの世の中からすれば、あまりにも理想主義かもしれない。でも、夢や理想を簡単にあきらめて、果たして生き続けることができるのか。そう、このサルウィン河のように、濁った流れが本当の世の中の姿なのかも知れない。それに抗うのは、愚か者なのだろうか。
 満天に輝く星を前にして、いつも不安感の入りまじった充実感を胸に抱いていた。昼間の出来事を考えるでもなし、明日からの行動を想像するでもなし、ただ何気なく空を見上げ、数え切れないほどの星を見つめていた。そこに人間のちっぽけさを感じ、何か自然の巨大さに押しつぶされそうな思いだった。
   


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