ちょっとでも手助けしたい、何とかしたい。そりゃ、お互いがある程度同じような環境に生きているなら、そうかも知れないが、現実はそうではないのだ。
 衣食住+αを保証されている人の生活は、実は誰かの命を食いつぶしているのかも知れないのだ。本当のところ、そうなのだ。だからこそ、少しでも現実を前にして考え方の転換が必要であろう。でも私が、そのことを直接Yさんに言葉で伝えるのは、これまたおかしい。それは、Yさんがこれから、経験の中から体得していくかも知れないのだから。
 カンボジアの首都プノンペンを訪れたのはおよそ1年半ぶり。9月の初め、まだまだ激しいスコールに見舞われる時期だった。

 

 一国の首都としては、こぢんまりとしている。バイクタクシーを使えば、フットワークのつらさを全く感じさせない街。
  信号無視する車、バス、逆行するバイクの群れ。
時にその無謀さにヒヤッとする。その混沌の中の秩序が、実はどこか心地いい。カオスの中の整然さ。
  ロイター通信に働くマドラに最近の国内事情について聞いてみた。国内の政治には大きな動きはない、と。今は退屈な時だよ、と。現地通貨リエルは、1ドル3000から3900へと値下がりしていた。芸術大学の近くにあったベトナム人女性たちの売春街は消えていた。その代わり、プノンペン大学周辺地域に、その場所は移動していた。街の中心にあった日本大使館はトンレソップ川近くに移った。

 

   


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