不思議そうな顔をする。
  「もう長くないかも知れない。ただの気休めの薬でしょう。」
  Yさんは、ぼそっ、とつぶやいた。素人目にも、ボンリアンさんの状況が末期的なのはわかった。彼女はこのまま、誰にも看取られることもなく、たった独りの最期を迎えるのだろうか。彼女の人生は、長かったのか、果たして短かったのか。楽しい時の思い出か、あるいはそうでない思い出を胸にしまっていくのだろうか。私は、言葉を交わすこともできず、ただ、家の入り口に立ちすくんでしまった。胸の中の鼓動が大きくなっていくのがわかる。

 誰もが平等に死を迎えなければならない。
おそらくこの地上で、過不足ない状態で最期を迎えることのできる人間は限られているだろう。


 生まれてすぐに飢えにさらされ、空きっ腹を抱え、ただ苦しむためだけに生を受ける子どもも数え切れないだろう。病気になり、ほんのましな医療施設があれば助かったかもしれない病人もあまたいるだろう。平等な死も、その迎え方は公平ではない。
   


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