あたりを見渡してみると、これまで自分の目に入ってこなかった多くの年輩の人たちがいることに気がついた。若者に混じって、ゴミの山を掘り返している。
 
子どもには将来がある。だからこそ、彼らのために、今、何かが出来るのでは。何かをしなければならない。罪のない子どもたちのために、手をこまねいていいのか。そういうニュースをよく目にする。そう、全くそうだ。
 しかし、年老いた人には、もう残り時間はあまりないのだ。本来なら、もっと安寧の生活があってもいいのではないだろうか。彼女/彼らは、これまでの生活の当然の結果として、このごみ捨て場の暮らしに行き着いたのだろうか。そういう運命だったのか。一人ひとりの事情があるのだろう。詳しくは、分からない。


 カティボー婆さんのこの笑顔の一瞬を逃してはならない。そう思い、出来る限りシャッターを切り続ける。どうしても撮っておかねば…。ただただ、本能的に撮影を続ける。広角レンズを望遠レンズに替えシャッターを切る。
   


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