皺だらけの顔に、大きな瞳と大きな口が広がった。しかし、カティボー婆さんの笑顔は、私の心臓を突き刺した。素敵な笑顔だ。
「イ・ラ・ン・タ・オ(歳はいくつですか)?」
「(ハハハハハ・・・)シックスティー・ワン!(ハハハハハ)」
おお、今度は英語で返してきた。61歳か。カティボーさんのその笑顔は、私の気分を一変させた。そう、ごみ捨て場で働く人びとの撮影は、どうも気分が滅入ってくる。しかし、そのおばあさん。どうして、そんな笑顔が出来るのか。61年間精一杯生きてきた、その証なのだろうか。
しかし、である。どうしてこの歳になってまで、額に汗を流し、ごみ捨て場で働かなければならないのか。彼女はここでの生活をどう考えているか。
|
|
つらくはないのか。あと何年、このままごみ捨て場で働き続けるのだろうか。人生の最終局面においてまでごみ捨て場で働いている。この人の一生は、どういう意味があるのだ(あったのだろうか)。いろいろな思いが頭の中を駆けめぐった。
|