「ここまで取材に来てくれたジャーナリストは君が初めてだよ。」
ボ・ジョーは朴訥とした風貌をしていた。司令官と名乗られなければ、田舎の農夫の風貌だ。話の中で偶然、私と同じ歳ということが判明した。それも生まれも同じ月。たった6日違いの生年月日。30数年前、ほとんど同じ時期、この世に生を受けた彼と私。何がその違いを生じさせたのか。
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自然いっぱいの山の中で、朝日や夕日の美しさにうっとりしながら、人間が作り出した暦や歴史とはなんなんだろうかと考えてしまった。
歴史には「もし」という言葉は許されない。
しかしここで、自由気ままな私が「もし(私がカレンに生まれていたなら)」と仮定することは許されない。53年目に入ろうとするカレンの内戦。追いつめられた彼らの実状。それでも戦わざるを得ないボ・ジョーの厳しい現実は、私にその「もし」を許さない。
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