ある時、KNLAに入った新兵と話をすることがあった。彼は、「第5旅団への配属を命じられたんだ」と、ちょっとばかり落ち込んでいた。第5旅団の管轄する地域は、ほとんどが山の中にある。山歩きが生活の一部というカレン人でも、第5旅団で兵士として活動するにはさすがにつらい場所と説明があった。また、大隊長から旅団長へと昇進した5年前、自らを律する為、酒やタバコをやめたボ・ジョーの厳しさは知れ渡っている。

 実は1昨年、彼と会う機会は何度かあったが、運悪くすれ違いが続いた。ビルマ軍から賞金首が懸けられているボ・ジョーは、隠密行動が多い。カレンの取材にはそれほど苦労しない私もずいぶんと手こずる。それが昨年の暮れ、ようやく彼に会いに行く機会ができた。


また、第5旅団に行くには、とにかく時間がかかる。往路に1週間、滞在に1週間、復路に1週間、ビルマ政府軍の動向を考えて予備に1週間。最低1ヶ月の期間を確保しなければならない。首尾よく彼の取材ができたとしても、それが必ずしも一般のメディアで報告できるとは限らない。そう考えると、カレンの取材はできれば近場の第6旅団か第7旅団で、ということになる。

   


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