できるなら新世紀を山の中でカレンの人たちと一緒に迎えたい。カンボジアで取材をしていた昨年の12月、そんなふうに思い始めた。
そして、すぐさまその思いを行動に移した。タイからビルマ国境をめざす。ボートを借り切ってサルウィン河をさかのぼり、雨季なら1週間以上かかる山道を約2日間歩いた。
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初めてカレンの取材に入った私は9年前、ほぼ同じ地域を歩いていた。通り過ぎるカレンの村の生活には何ら変わりはなかった。夜明け前に起き出し、日が暮れれば一日が終わる。電気もガスも、水道もない生活。
時計よりも太陽、月、星が人間の時間をコントロールする生活だ。唯一変わったと言えば、近くまでビルマ軍が迫ってくるようになり、地雷が埋められた地域が増えてきたことだろうか。
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