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[第7節] オーストラリアと日本のサッカー

このサラリーキャップ制とは、各チームの選手へ支払われる給与合計額が150万豪ドル(約1億3000万円)以内に設定する、といったルールで、この制度によって必然的に選手へ支払われる給与の上限も想定できてしまう。また、「Aリーグ」は、外国人枠といった制度を設けていないため、ニュージーランド・ナイツFCのように半分以上が海外から来た選手で構成されているチームもある。 しかし、このサラリーキャップ制があるために、せっかく外国人枠がないのにも関わらず、海外から優秀な選手を招こうとしても範囲内の給与となれば選手にとって魅力も半減し、足が遠のいてしまうことになる。

では、国民レベルでのサッカーに対する意識について。「Jリーグ」の前身だった「日本リーグ」では、観客席はいつも閑古鳥が鳴いていた。しかし、1998年のワールドカップ初出場、2002年のワールドカップ日韓共同開催といった過程を踏まえ、今では十分、日本国内でサッカーは市民権を獲得した。では、オーストラリアでは?

スポーツ大国とまで言われるオーストラリアだが、国内でのサッカーの知名度は、正直まだまだである。理由はいろいろと考えられるが、体を生かしたフィジカルコンタクト系のスポーツが人気を博していることからも、国民性なのかもしれない。オーストラ リアにおいて、サッカーの競技人口は決して少なくはないが、フィジカルの強さを存分に生かせるラグビー等に依然人気が集中しているように思える。