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[第4節] 初めの一歩

追い撃ちを掛けるように、30日の試合では後半15分からの出場となり、スタメンから外された。なぜだろう、といった怒りに満ちた疑問が体全身を揺るがす。しかし、冷静に考えれば考える程、出てくる答えは1つだった。

エンターテイメントスポーツのこのサッカーを自分自身が楽しめていないのに、それを観に来てくれているお客さんを楽しませることはできない。お客さんは誰しも、強いパース・グローリー、勝つパース・グローリー、エキサイティングなパース・グローリーを期待している。お金を払って、わざわざ観に来てくれるお客さんに対して、自分が楽しめていないサッカーは、お客さんも楽しめるはずがない。だからまずは、自分のサッカーをして、自分自身が試合を楽しむ。それが答えだった。

7月14日の練習試合から感じていた自問の呪縛から解くための良薬が何であるか、過去9つのプロチームでプレーをしてきた石田には分かっていた。気持ちを切り替え、自分自身のプレーをする。監督が自分をどのように使ったとしても、フィールドに立った時は“俺”のプレーをする。いい意味での“開き直り”を感じていた。