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[第11節] シーズンオフ

3月8日（水曜日）
チャレンジャーの顔になっていた。5日前のインタビューの時の「今を無駄にしたくない」という言葉が脳裏をかすめる。何か吹っ切れたようなものも感じた。いやぁ、吹っ切れていたんだろうと思う。次の挑戦者を待つ、チャンピオンコーナーで佇むチャンピオンのように。これはちょっと言い過ぎかな…。

3月9日（木曜日）
　夕方、電話が入った。
　「明日、マレーシアに行きます。またパースに帰ってきたら連絡します」
　新天地にプレーする場を求め飛び立った石田選手。2部のチームを1部に昇格させるため、昇格請負人としてマレーシアに飛んだ。自分の身体を知り、自分の置かれた状況を分析する。そして、自分の行く先に正確なタクトを振る。清水エスパルスから数えて、7つ目のプロ契約チームとなる。

(文責　今城康雄)

石田 博行
1979年8月31日生まれ、神奈川県出身。中学卒業後、単身ブラジルへ。3年の後帰国し、Jリーグ、シンガポールのSリーグとプロ契約。2001年にシドニーのオリンピック・シャークスに移籍。主力選手としてチームの優勝、準優勝に貢献。2004年にパース・グローリーと契約。172cm、64kg。