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[第11節] シーズンオフ

「シーズンオフの使い方次第では、他の選手との差が大きく生じる。逆に他の選手との差を見せるためにも大切」と話す。正直、こう返ってくるだろうなといった内容の話ではなかった。とにかくシビアだった。『まずは走り込み。ボールを使わずに身体を徐々に作っていって、キャンプまでに帳尻を合わす…』なんて生易しい話には発展しなかった。

 それもそのはずだった。「FFA(オーストラリア・サッカー協会)の審議結果待ちですが、OKがでれば2ヶ月間という期限付きで、マレーシアに行って、プレーしてきます。パース・グローリーとは来期まで契約があるので、また戻って来る予定ですが…。近日中にFFAが承諾してくれれば、グローリー側も問題なく自分を出してくれると思います。まずは2ヶ月間だけですけど…」
 見据える先が全く違っていた。そりゃ、プロの選手と見ているところが一緒の訳がないことぐらい分かっているけど、次のシーズンではなく、なんと今を生きていた。自分に負荷を掛け、可能性を模索する。当然、信じるものは己の心、技、体。