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[第11節] シーズンオフ

 石田選手にこのような質問もしてみた。オフだからできる質問だと思う。
  「もしサッカー選手になってなかったら、何になっていたと思いますか?」と。首を傾げる石田選手。答えが見つからないようだ。でも執拗に問い続けると「4歳、5歳の頃からボールを蹴って、その頃からサッカー選手になりたかったので…」と答える。小学校1年生の時の七夕には“世界No.1プレーヤーになる”と短冊に思いを込めたほど。
 しかし、1回だけ違う世界の自分を想像したこともあった。それは将棋のプロ。小学校6年生の時にサッカーの練習をサボってまでも将棋を指した。ところが、中学1年生の時、「同級生の青木君にコテンパにやっつけられたので、その時すぐにその夢は諦めました」と笑いながら話していた。
 
 インタビューの最後に「もう1度生まれ変わってもサッカー選手になりたい」と言った時のあの目には、影のない一途な思いが投影されていた。