「MORIO、あなた、いつからこれやってたの?」
 「いつからって、きみと別れてからだよ。」
 「ずっと?」
 「ああ、自慢じゃないけど、ずっと続けてたよ。」
 「あなたって本当のばかだわ。ばかもばか、大ばか者だわ。」
 「MADDIE」
 「なによ?」
 「でも、こうしてちゃんと君に伝わってたじゃないか。」

 短い間でしたが二人の間に沈黙が流れたあと、MADISONはそれに答える代わりに、僕に体を寄せてきました。それから僕達は、しばらくお互いの瞳を見つめ合ってから、長い間、口づけを繰り返しました。
 「ひとつ聞いていいかな。MADDIEはいつからジンジャ−カラ−(赤毛)に変わってたの?」
 それには答えず立ちあがった彼女の背には、いつのまにか厚い雲の間から差し始めた光が、柔らかく降り注ぎ始めていたのでした。

つづく

 


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